マカオ、カジノディーラーが客に扮した友人と組み不正行為繰り返す…チップ両替時に盛る手口

 マカオ司法警察局は5月5日、不正行為によりカジノ運営企業をに損失を与えたとして、コタイ地区にあるIR(統合型リゾート)併設のカジノに勤務するマカオ人のカジノディーラー職の男(32)と中国本土出身の無職の男(30)の2人を業務上横領罪で逮捕、送検したと発表。2人は友人関係とのこと。

 警察発表によれば、5月4日午後9時頃、カジノ運営会社から「あるディーラーが特定のギャンブラーと組み不正行為を行っており、現金とチップの両替あるいは額面の大きいチップを小さいチップと両替する際に実際より多く「盛る」手口で、4月4日から5月3日にかけて少なくとも13回にわたって繰り返された」との通報があったことから、警察官を現場に急行させ、2人を逮捕するに至ったという。

 2人は警察の調べに対し、現金とチップの交換時には毎回4000香港ドル(日本円換算:約5.6万円)の現金を6000香港ドル(約8.4万円)分のチップに、チップ同士の両替時には8000香港ドル(約11.3万円)分のチップを2万香港ドル(約28.2万円)にし、前者を8回、後者を5回やったと犯行を認める供述をしたほか、動機については、2人は親しい友人関係にあり、収入の補填のために共謀したとし、犯罪を通じて得た金は中国本土へ行って使い果たしたと説明したとのこと。

 カジノ運営会社から申告のあった被害額は7.6万香港ドル(約107万円)。ディーラーは勤続10年だったという。

 マカオのカジノ施設でテーブルゲームに参加する際、現金ではなくチップを使用する。チップは少し分厚いコインのような形をしており、額面によって色やデザインが異なるが、いずれも小さく軽い。

 チップはカジノフロアにあるキャッシャーと呼ばれるカウンターで額面の現金と交換することができる。つまり、現金そのもの。マカオのカジノでは、しばしばチップを狙った犯罪が発生している。

ゲーミングチップとバカラテーブルのイメージ(資料)—本紙撮影

ゲーミングチップとバカラテーブルのイメージ(資料)—本紙撮影

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