マカオが広東省内の新型コロナ中リスク地域指定を全解除…5月下旬以来の再流行終息受け

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が世界各地へ拡大し、終息の兆しが見えない中、国際観光都市マカオでも状況の変化に応じた各種防疫対策が講じられている。

 マカオにおける新型コロナの市中感染例は460日以上にわたってゼロを維持しており、封じ込めに成功している状況だ。

 目下、外地からの新型コロナ流入防止を目的とした厳格な入境制限は維持されているが、中国本土でも概ね状況が落ち着いたことを受けて、昨年7月中旬以降、両地間の往来制限が段階的に緩和された。同年9月下旬までに中国全土で訪マカオ許可(観光ビザに相当)の申請・発給が再開され、一部の「中リスク地域」を除き、新型コロナウイルス核酸検査陰性証明取得などの条件を満たせば隔離検疫なしでの往来が可能となっている。中国本土との往来制限緩和後もマカオでは市中感染ゼロを維持できており、各種防疫対策が機能しているといえる。

 中リスク地域の指定は市中感染例の出現状況に応じて随時アップデートされ、マカオ入境前14日内に滞在歴がある場合、マカオ到着後、政府指定場所(ホテル)で14日間の医学観察(強制隔離検疫)を受けることが必須で、さらに隔離検疫満了後も14日間の自己健康管理期間として個人防疫対策を講じることが求められる。

 地域指定は社区と呼ばれる基礎行政区画など比較的細かく設定される。現在は比較的小さな範囲にとどまっているが、大都市全域が対象となるような例もある。

 今年(2021年)1月から2月中旬にかけて中国北方を中心に市中感染の再発が確認されたため、中リスク地域の指定が相次いだが、その後は状況が好転し、一旦は2月23日までに指定ゼロとなった。しかしながら、5月下旬からマカオに隣接し、往来も盛んな広東省で再流行が出現したことを受け、広い範囲が指定地域とされた。その後、広東省では厳格な防疫措置が講じられ、6月下旬頃には終息。すでに直近14日以上にわたって市中感染ゼロが続いている。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターでは、広東省における状況緩和を受け、近日段階的に同省内の中リスク地域指定の解除を進めてきたが、7月7日午後6時をもって、ようやく省内の中リスク地域がゼロとなった。今後、広東省からマカオへ入境する場合、隔離検疫の必要がなくなる。

 広東省における再流行が始まって以降、復調傾向が続いた訪マカオ旅客数も一旦減少に転じたが、旅行シーズンとなる夏休みに向けて、観光業界にとっては明るい知らせとなった。

 なお、香港についても5月下旬までに流行第4波が終息。目下、香港・マカオ両政府の間で隔離検疫免除の相互往来再開に関する詰めの協議が進められているという。

マカオと中国広東省との主要な陸路の玄関口となる關閘イミグレーション(資料)―本紙撮影

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