中国広東省、新型コロナ市中感染確認28日連続ゼロも院内感染例出現…隔離エリア勤務歴ある看護師1人=7/19

 中国の南方にあり、香港やマカオと接する広東省、中でも広州市と仏山市において5月下旬から新型コロナウイルス感染症の再流行が続く中、省内各地で厳格な防疫措置が講じられてきた。

 広東省衛生健康委員会が7月20日朝に発表した内容によれば、19日全日の省内における新型コロナの市中感染確認数は無症状感染者も含めてゼロだったとのこと。同省では28日連続で市中感染確認ゼロを維持している。

 ただし、広州市と隣接する清遠市においてアルファ変異株ウイルス感染の無症状感染例が出現した。患者は同市内にある医療機関の隔離エリアで勤務歴のある女性看護師(29)で、定例検査を通じて発見に至ったという。同市の疾病予防対策本部は、患者は7月13、14日にかけて海外からの輸入性患者に対する看護を担当し、期間中は閉塞管理の上、隔離エリア内で独居、毎日PCR検査を受検していたことを明らかにした。広東省疾病予防対策センターがウイルスゲノム分析を行ったところ、患者はアルファ変異株に感染しており、看護にあたった輸入性の患者と相同性が高いという。よって、輸入関連性の無症状感染と判断された。目下、当局が密接接触者及び重点対象者に対する追跡調査を行っているところで、これまでに2200件以上のPCR検査、166件の環境サンプル検査結果はすべて陰性だったとのこと。

 この日の省内における輸入例は感染確認が3市(広州、深セン、仏山)で4人、無症状感染が2市(広州、中山)で5人。

 広東省の7月19日24時時点までの累計感染確認報告例は2812人(輸入例1246人)で、59人が医師による治療を受けている状況という。

 広東省における再流行は終息を迎えており、直近3週間超にわたって散発的な市中感染確認例の出現もない状況。リバウンドや輸入例に対する警戒は続くものの、各地の状況に応じて各種防疫措置の調整(緩和)、それに伴う正常化が進んでいる。

 マカオと広東省の間は人の往来も多いことから、マカオ政府は矢継ぎ早に水際措置の強化と域内における防疫措置の調整などの対策を講じてきたが、状況の緩和に伴い措置の見直しが続き、7月10日をもって再流行前と同水準(直近7日以内の新型コロナPCR検査陰性証明提示など一定の条件を満たせば隔離検疫免除で往来可能)にまで戻った。

 深セン市と陸で接する香港では、5月下旬に流行第4波が終息。以降、40日にわたって市中における伝播の出現はなく、輸入関連性事案が4人確認されたのみ。香港政府は、広東省及びマカオとの往来制限緩和に向けた協議を進めているとしているが、これまでのところ目立った進展はない。

 中国本土では、このところ雲南省においてリバウンドが続いている。同省の19日の市中感染確認は8人、無症状感染1人。輸入性の感染確認は41人。

 雲南省の7月19日24時時点における感染確認例は259人(輸入例179人)、無症状は27人(輸入例25人)。

 マカオ政府新型コロナウイルス対策センターは19日、雲南省の中で再流行の中心となっている徳宏タイ族チンポー族自治州瑞麗市と隴川県を中リスク地域に指定し、同日8時から当該地域からの入境者に対する14日間の隔離検疫を必須とする措置を講じた。

中国広東省広州市内にある高層ビル(資料)—本紙撮影

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