中国、新型コロナ市中感染確認が6省市で83人…江蘇省などでリバウンド続く、各地で全市民対象のPCR検査実施=8/10

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功したが、以降も局地的な再流行が相次ぎ出現している。

 直近では、雲南省のミャンマー国境付近での市中感染確認が続くほか、7月下旬には江蘇省南京市の南京空港で感染力の強いデルタ株のクラスターが発生して各地へ波及するなどの事案があり、全国的な再流行が持続する中、各地で厳格な防疫措置が講じられている状況。

 中国の国家衛生健康委員会が8月11日朝に公表した内容によれば、10日の中国本土における新規市中感染確認は6省市で計83人。内訳は江蘇省が54人、湖北省が14人、河南省が7人、湖南省が5人、雲南省が2人、北京市が1人。無症状は湖北省で5人、河北省で2人の計7人。

 10日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数(輸入性含む)は1789人で、うち60人が重症。無症状の患者498人が医学観察下にあるという。

 7月下旬から始まった中国本土におけるリバウンドは南京空港で発生したクラスターから波及したものだが、そのきっかけは海外から到着した航空機とされている。これまで10を超える省市に波及したものの、すでに伝播を断ち切ることに成功したところもあり、近日は主に江蘇省、河南省、湖北省、湖南省の4省で新規感染例の出現が続く状況。江蘇省の新規感染確認例は、初期には南京市に集中していたが、直近では揚州市にシフトしている。河南省では鄭州市にある境外からの感染者を収容する医療機関で発生したデルタ株の院内感染が発端で、市中に拡散した。また、湖北省の武漢市では建設現場でのクラスターが発生しており、作業員の1人が江蘇省の淮安を訪問した団体旅行客と鉄道駅で交差していたことがわかっている。目下、中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして対処を進めている。

 南京空港クラスターに絡むデルタ株感染者はマカオでも確認されており、局地ロックダウンを含む防疫措置の引き締めと同時に、8月4日から3日間にわたって全市民を対象としたPCR検査が実施された。結果は全員陰性で、市中における伝播がない状況が確認された。密接接触者、二次接触者については隔離の上で複数回の検査が実施されているが、これまでのところ陽性者は出ていない。この状況を維持できれば、8月18日から順次社会活動が再開となる。同様の手法は市中で感染者が出現した中国各地で行われており、これまでに南京市で6回、揚州市で5回など、状況によって複数回にわたって検査が繰り返し実施されることもある。中国国務院は10日、全市民を対象としたPCR検査を実施するにあたり、検査人数が500万人より少ない地域では2日以内、500万人超の場合は3日以内で検査を完了できるよう、体制を整えるよう通達を発出した。

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

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