マカオ、2021年5〜7月期の総体失業率2.9%…前回調査から横ばい

 マカオ政府統計調査局は8月27日、2021年5月〜7月期の雇用統計を公表。総体失業率は前回調査(2021年4〜6月期)から横ばいの2.9%で、2ヶ月連続2%台を維持した。

 マカオ居民(マカオ居民IDカード保有者)に限った失業率は3.9%。不完全雇用率は3.5%で、いずれも横ばい。

 2021年5〜7月期のマカオ居住の労働人口は38.39万人、労働参加率は67.9%。就業人口は前回調査から3000人減の37.29万人。マカオ居民に限ると1400人減の27.50万人。業界別の従事者数動向は、ホテル、飲食、運輸・倉庫業が減、カジノ・カジノ仲介業が増。

 失業人口は前回調査時から100人減の1.10万人。求職中の失業者のうち直前までカジノ・カジノ仲介業、建設業に従事していた人の数が多かった。このほか、学校卒業生が労働市場に流入したタイミングにあたり、初めて職探しをする新増労働力の占める割合が1.7ポイント(pt)上昇の9.2%に。

 不完全就業者数は200人減の1.34万人。業界別ではカジノ・カジノ仲介業と建設業従事者の占める割合が大きかった。

 前年同時期との比較では、失業率と不完全雇用率がそれぞれ0.2pt上昇、労働参加率は2.6pt下落。

 就業調査の統計対象はマカオ半島、タイパ・コロアン島にある住宅の居住者(学生寮や高齢者入所施設等のグループホームを除く)で、域外からマカオへ越境通勤するマカオ居民及び海外労働者は含まれない。出入境資料を元にマカオ居民及び海外労働者の越境通勤者数は約8.30万人と推計され、これを含むマカオの総労働力は前回調査から4400人減の46.69万人。

 マカオで雇用の調整弁となっているのは海外労働者で、コロナ禍で厳しい経済情勢の中、マカオ政府労工局(DSAL)はマカオ居民の雇用の継続と優先就業を確保するため海外労働者数の調整を行っていることを明らかにしている。DSALが27日に発表した資料によれば、今年1〜8月までの間に同局のサポートにより就職に成功したマカオ居民が約2500人いるとのこと。今年7月末時点における海外労働者数は17万0710人で、前年同時期から2万5828人減だった。

DSALと統合型リゾート運営会社が合同開催したジョブフェアの様子(写真:DSAL)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ司法警察局は4月26日、前月(3月)コタイ地区の統合型リゾート(IR)併設カジノ場内にある…
  2.  澳門海關(マカオ税関)は4月26日、世界知的所有権機関(WIPO)が制定した「世界知的財産の日(…
  3.  マカオにとって最大の旅客ソースとなる中国本土では5月1日から5日までが5連休(「五・一」労働節ゴ…
  4.  マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は4月26日、今年第一四半期(2024年1〜3月期)の雇用…
  5.  マカオの公共路線バスで4月25日午前0時から中国本土版のアリペイ、香港版のアリペイ、マカオ以外の…

ピックアップ記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  5.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…

注目記事

  1.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  5.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun