マカオ、8月のカジノ売上は対前月4割超の下落…年内最低額の約609億円に=中国本土の新型コロナ再流行が影響

 マカオ政府博彩監察協調局(DICJ)は9月1日、今年(2021年)8月のマカオの月次カジノ売上(Gross Gaming Revenue=GGR)について、前年同月から234.0%増、前月から47.4%減となる44.42億マカオパタカ(日本円換算:約609億円)だったとする最新統計を公表。

 前年同月比では7ヶ月連続でプラスを維持したものの、前月比では2ヶ月ぶりに下落に転じ、金額は6月を下回り年内最低だった。

 マカオでは、昨年1月下旬から現在に至るまで入境制限を含む厳格な水際措置が講じられており、平年と比較してインバウンド旅客数が大幅に落ち込んでいる。ただし、昨年第3四半期以降は中国本土との往来制限の緩和が進み、カジノ売上の回復につながった。しかしながら、今年5月下旬にマカオと隣接する中国広東省、7月下旬には中国本土各地で新型コロナの再流行が出現。入境制限を含む各種水際措置が強化されたことによるインバウンド旅客減が6月、8月の売上を直撃した。ただし、いずれの再流行も約1ヶ月で終息し、水際措置は従前の水準まで緩和されている。

 8月の1営業日あたりの平均売上は1.43億マカオパタカ(約19.6億円)。新型コロナの影響が生じて以降の推移は、昨年2月(2月5〜19日の休業期間を除く14日間)2.22億マカオパタカ(約30.4億円)、3月1.70億マカオパタカ(約23.3億円)、4月0.25億マカオパタカ(約3.4億円)、5月0.56億マカオパタカ(約7.7億円)、6月0.23億マカオパタカ(約3.2億円)、7月0.43億マカオパタカ(約5.9億円)、8月0.43億マカオパタカ(約5.9億円)、9月0.74億マカオパタカ(約10.1億円)、10月2.35億マカオパタカ(約32.2億円)、11月2.25億マカオパタカ(約30.9億円)、12月2.52億マカオパタカ(約34.6億円)、今年1月2.59億マカオパタカ(約35.5億円)、2月2.61億マカオパタカ(約35.8億円)、3月2.68億マカオパタカ(約36.7億円)、4月2.80億マカオパタカ(約38.4億円)、5月3.37億マカオパタカ(約46.2億円)、6月2.18億マカオパタカ(約29.9億円)、7月2.72億マカオパタカ(約37.3億円)。昨年第2四半期が底で、以降は今年5月にかけて回復が進む様子が見てとれる。

 今年1〜8月累計のカジノ売上は前年同時期から70.1%増の619.08億マカオパタカ(約8486億円)。変動率は前月時点から6.2ポイント上昇。

 DICJは新型コロナ防疫体制下におけるカジノ営業にあたって運営会社に対して従業員及びゲストの健康を最大限保護することなどを求めており、ゲーミング(カジノ)テーブル間の距離の確保、テーブルゲームでは隣席を空ける対応(例えばバカラテーブルでは1テーブルに同時に着席できるのは3〜4人)、スロットマシンについても1台または2台おきの稼動と定められ、交差感染リスク軽減が図られている。チップ等のゲーミング用品に対する消毒も強化実施されている。再開したといっても、あくまで限定的ものだ。

 また、ゲストは入場時にマスクの着用、検温、有効な健康コード(衛生当局の専用サイト上で直近の滞在歴、新型コロナ患者との接触歴の有無、発熱や咳といった症状の有無、連絡先を入力して生成されるQRコード)の提示が義務付けられている。3月3日から新型コロナウイルス核酸検査陰性証明書の提示を必須とする措置は撤廃された。

 なお、昨年通期のカジノ売上は前年から79.3%減の604.41億マカオパタカ(約8285億円)で、2年連続前年割れ。マカオ政府の2021年度財政予算におけるカジノ売上見込みは1300億マカオパタカ(約1兆7820億円)。6月、8月に失速したこともあり、8月終了時点での達成率は47.6%にとどまっており、予算達成は厳しい状況だ。

 このほか、7月30日にはコタイ地区に新規の大型カジノIR(統合型リゾート)グランドリスボアパレスがオープンしている。

【資料1】2021年のマカオの月次カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・1月:80.24億マカオパタカ=約1100億円(63.7%減)
・2月:73.12億マカオパタカ=約1002億円(135.6%増)
・3月:83.06億マカオパタカ=約1139億円(58.0%増)
・4月:84.01億マカオパタカ=約1152億円(1014.4%増)
・5月:104.45億マカオパタカ=約1432億円(492.2%増)
・6月:65.35億マカオパタカ=約896億円(812.5%増)
・7月:84.44億マカオパタカ=約1157億円(528.1%増)
・8月:44.42億マカオパタカ=約609億円(234.0%増)
>1〜8月累計:619.08億パタカ=約8486億円(70.1%増)

【資料2】2013年〜2019年のマカオの年間カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・2013年:3607.49億マカオパタカ=約4兆9451億円(18.6%増)
・2014年:3515.21億マカオパタカ=約4兆8186億円(2.6%減)
・2015年:2308.40億マカオパタカ=約3兆1643億円(34.3%減)
・2016年:2232.10億マカオパタカ=約3兆0597億円(3.3%減)
・2017年:2657.43億マカオパタカ=約3兆6427億円(19.1%増)
・2018年:3028.46億マカオパタカ=約4兆1513億円(14.0%増)
・2019年:2924.55億マカオパタカ=約4兆0089億円(3.4%減)
・2020年:604.41億マカオパタカ=約8285億円(79.3%減)

ゲスト及び従業員のマスク着用やカジノ用品の消毒強化といった防疫対策を講じた上で営業を続けているマカオのカジノ施設(資料)=2020年3月(写真:GCS)

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