中国本土、新型コロナ新規市中感染確認は11省市区で93人…再流行拡大続く=11/2

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功したが、以降も局地的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 最近では、雲南省のミャンマー国境付近での市中感染確認が続くほか、7月下旬には江蘇省南京市の南京空港で感染力の強いデルタ株のクラスターが発生して各地へ波及するなどの事案があり、9月上旬には福建省の一部でデルタ株の市中における伝播が出現、同月下旬には黒竜江省ハルビン市でもデルタ株の市中感染確認例が出現した。さらに、10月中旬以降は内陸部のシルクロード観光エリア一帯を訪れた国内団体旅行客の移動をきっかけとした伝播、黒竜江省黒河市を中心に新たな市中感染の広がりが出現している。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が11月3日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月2日の中国本土における新規市中感染確認は93人(前日から39人増)だったとのこと。内訳は、黒竜江省35人(黒河市)、河北省14人(石家庄市)、甘肅省14人(天水市13人、蘭州市1人)、北京市9人(昌平区)、内モンゴル自治区6人(アルシャー盟)、重慶市4人(九竜坡区2人、巴南区1人、長寿区1人)、青海省4人(西寧市)、江西省2人(上饒市)、雲南省2人(徳宏タイ族チンポー族自治州)、寧夏回族自治区2人(銀川市)、四川省1人(成都市)。このうち北京市の1人は無症状感染から感染確認に転じたもの。中国本土で市中感染確認例が出現するのは18日連続。市中の無症状感染例については前日18日ぶりにゼロだっとなったが、この日は2日ぶりに出現し、江西省7人(上饒市)、重慶市2人(渝北区1人、長寿区1人)、黒竜江省1人(ハルビン市)、四川省1人(成都市)の計11人という。

 11月2日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は1000人(うち輸入性が377人)で、重症者は37人(輸入性2人)。無症状の患者384人(輸入性335人)が医学観察下にあるという。

 10月中旬以降、中国本土の多くの地域で市中感染例が散発している状況。内モンゴル自治区及び甘肅省を中心としたシルクロード観光地関連では、感染者の多くが観光のためエリアを跨いで移動していたこと、感染力の強いデルタ株であることから、省区を越えて波及した。黒竜江省黒河市で10月27日に最初の感染確認例が出現した事案については、ハルビン市にも波及し、新たな感染確認例が相次いでいるが、疫学調査及びウイルスゲノム解析から、シルクロード観光地を発端との関連性はないとのこと。今回の黒竜江省の事案における同省内の累計感染確認数は約150人に上る。目下、1ヶ月以内の沈静化を目指し、感染確認例が出現した地域では特に厳格な対応を講じ、全国レベルでも各種防疫措置の引き締めが進んでいる状況。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。今年5月下旬に広東省で発生した大規模再流行、7月下旬に南京空港で発生したクラスターに端を発し10を超える省市とマカオへ波及した再流行、9月上旬に福建省のホ田市からアモイ市など省内の大都市に波及した約470人規模の再流行、9月下旬に黒竜江省ハルビン市を中心に出現した約90人規模の再流行についてもデルタ株によるものだが、それぞれ約1ヶ月で封じ込めに成功した実績がある。9月の福建省と黒竜江省のケースは、いずれも一部地域にとどまり、省外への拡散は確認されていない。

 このほか、マカオ特別行政区では11月2日まで24日連続市中感染確認例ゼロ、香港特別行政区でも同25日連続ゼロを維持した。マカオでは、中国本土のリスク指定地域以外から隔離検疫免除での入境が可能となっているが、近日はリスク指定地域指定の追加が相次いでいるほか、広東省以外の中国本土へ渡航歴のある市民に対するPCR検査受検の呼びかけが行われている。

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

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