香港、新型コロナ市中感染確認33日連続ゼロ…輸入性は5人、うち3人が隔離検疫免除の航空会社クルー=11/10

 人口約740万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いていたが、5月にかけてようやく状況が落ち着き、5月末に終息した。

 6月以降は、上旬に1家族の女性3人の市中感染例、24日と27日にかけて空港での業務に従事する男性1人とその密接接触者の1人、7月2日に検疫用ホテルの清掃作業員の女性1人、11日に空港での業務に従事する男性1人の輸入関連性感染確認例(いずれも当初市中感染例からの変更)、8月5日には建設作業員(感染経路不明、これまで感染確認に至らなかった無症状感染者の再陽性事例)、8月17日に空港ラウンジ職員(感染経路不明、L452R変異株)、10月8日に空港カーゴ部門従事者(感染経路不明、L452R変異株)の市中感染確認があったが、市中における連鎖的な伝播は出現していない。

 香港衛生当局の発表によれば、11月10日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は5人で、すべて輸入性(海外からの入境者)とのこと。市中感染確認例に限ると33日連続ゼロを維持した。

 輸入性の患者5人中3人が指定施設での隔離検疫免除の対象となっている航空会社のクルーで、所属は香港国際空港を本拠地とするキャセイパシフィック航空。2人がドイツから、1人がカタールからそれぞれ到着(貨物便)し、市中にある自宅に戻った後に受けた検査で陽性となり、感染確認に至ったもの。カタールから到着した29歳のクルーはウイルス量が多く、近い時期に感染っしたものとみられるとのこと。香港衛生当局は10日午後の記者会見の中で、市中感染リスクの増大につながる事案と認めた上、隔離検疫免除の対象とある航空会社クルーの香港における活動範囲の制限について考慮する考えを示した。
 
 残る2人については、ホームヘルパーとして就労するためフィリピンから到着した女性(30)と家族とともにイタリアから到着した女性(15)で、いずれも隔離検疫施設(指定ホテル)で所定の検疫を終え、別のホテルへ移った後に受けた検査で感染確認に至ったといい、香港衛生当局では再陽性事案にあたるとした。

 香港における過去14日間(10月27日〜11月9日)累計の新規感染確認は39人で、すべて輸入性事案。ここまでの累計感染確認数は1万2375人(擬似事案1人含む)。

 香港の11月9日(接種開始から258日目)午後8時時点のワクチン接種率は69.1%(1回目の接種完了)、66.2%(2回目の接種完了)となっている。累計接種回数は911万2508回、1日あたり接種回数は7095回(7日移動平均値7640回)。香港ではワクチンが充足している状況で、政府は9月末までに免疫の壁を構築するのに必要とする目標の接種率7割(1回目接種完了)を突破できるとする見通し示していたが、9月以降は接種回数の低迷が顕著で、11月に入って以降も未達が続く。市内各所に設けられたコミュニティ接種センターのオープン時間は11月1日から短縮され、1回目の接種の受け付けは11月いっぱいまでとなっている。今後、11日からブースター接種が開始予定。

 香港衛生当局では、近日の輸入性感染確認例のうち、ワクチン接種を完了している患者も少なくないとし、不要不急の外遊(特に高リスク地域)及び外地における不必要な大型集会やイベントへの参加を控えるとともに、外地滞在中はマスクの着用し続け、個人・環境衛生管理に努めるよう呼びかけている。

香港国際空港(資料)-本紙撮影

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