マカオ、11月のカジノ売上は対前年0.01%増…1〜11月累計では49.9%増の約1.1兆円

 マカオ政府博彩監察協調局(DICJ)は12月1日、今年(2021年)11月のマカオの月次カジノ売上(Gross Gaming Revenue=GGR)について、前年同月から0.01%増、前月から54.6%増となる67.49億マカオパタカ(日本円換算:約953億円)だったとする最新統計を公表。

 前年同月比、前月比とも2ヶ月ぶりのプラスとなった。

 マカオでは、昨年1月下旬から現在に至るまで入境制限を含む厳格な水際措置が講じられており、平年と比較してインバウンド旅客数が大幅に落ち込んでいる。ただし、昨年第3四半期以降は中国本土との往来制限の緩和が進み、カジノ売上の回復につながった。しかしながら、今年5月下旬にマカオと隣接する中国広東省、7月下旬には中国本土各地で新型コロナの再流行が出現。8月初旬及び9月下旬から10月初旬にかけてはマカオ域内でも市中感染確認例が相次いだ。こういった事情から、入境制限を含む各種水際措置が一時的に強化されたことによるインバウンド旅客減が6月、8月、9月、10月の売上に影響を与えたとされる。年初来最低を記録した10月から一転、11月は反動増に。

 11月の1営業日あたりの平均売上は2.25億マカオパタカ(約31.8億円)。新型コロナの影響が生じて以降の推移については、昨年第2四半期の0.23億〜0.56億マカオパタカ(約3.2億〜7.9億円)が底で、今年5月にかけて回復が進み、その後は水際措置の調整と連動して上下を繰り返している。

 今年1〜11月累計のカジノ売上は前年同時期から49.9%増の789.01億マカオパタカ(約1兆1139億円)。ただし、変動率は前月時点から7.4ポイント下落。

 DICJは新型コロナ防疫体制下におけるカジノ営業にあたって運営会社に対して従業員及びゲストの健康を最大限保護することなどを求めており、ゲーミング(カジノ)テーブル間の距離の確保、テーブルゲームでは隣席を空ける対応(例えばバカラテーブルでは1テーブルに同時に着席できるのは3〜4人)、スロットマシンについても1台または2台おきの稼動と定められ、交差感染リスク軽減が図られている。チップ等のゲーミング用品に対する消毒も強化実施されている。再開したといっても、あくまで限定的ものだ。

 また、ゲストは入場時にマスクの着用、検温、有効な健康コード(衛生当局の専用サイト上で直近の滞在歴、新型コロナ患者との接触歴の有無、発熱や咳といった症状の有無、連絡先を入力して生成されるQRコード)の提示が義務付けられている。新型コロナウイルス核酸検査陰性証明書の提示を必須とする措置は3月初旬までに撤廃された。

 なお、昨年通期のカジノ売上は前年から79.3%減の604.41億マカオパタカ(約8533億円)で、2年連続前年割れ。マカオ政府の2021年度財政予算におけるカジノ売上見込みは1300億マカオパタカ(約1兆8364億円)だが、12月を残すのみとなった中、達成は厳しい状況。政府は来年度予算における見込みも1300億マカオパタカとしている。

 直近では、マカオのカジノ仲介業大手、サンシティグループの創業者でCEOのアルビン・チャウ氏が11月26日に中国温州市の公安当局から逮捕状が出されたことが明らかとなり、27日にはマカオ司法警察局によって身柄が拘束されるという大きな動きがあった。同社はマカオの複数のカジノIR(統合型リゾート)にVIPルームを展開している業界最大手だが、11月30日24時までにすべてクローズしたとのこと。目下、マカオのカジノ売上に占めるVIPルーム比率は約5割となっており、12月以降のカジノ売上に与える影響が懸念される。

ゲスト及び従業員のマスク着用やカジノ用品の消毒強化といった防疫対策を講じた上で営業を続けているマカオのカジノ施設(資料)=2020年3月(写真:GCS)

【資料1】2021年のマカオの月次カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・1月:80.24億マカオパタカ=約1133億円(63.7%減)
・2月:73.12億マカオパタカ=約1033億円(135.6%増)
・3月:83.06億マカオパタカ=約1173億円(58.0%増)
・4月:84.01億マカオパタカ=約1187億円(1014.4%増)
・5月:104.45億マカオパタカ=約1475億円(492.2%増)
・6月:65.35億マカオパタカ=約923億円(812.5%増)
・7月:84.44億マカオパタカ=約1193億円(528.1%増)
・8月:44.42億マカオパタカ=約627億円(234.0%増)
・9月:58.79億マカオパタカ=約830億円(165.9%増)
・10月:43.65億マカオパタカ=約617億円(40.0%減)
・11月:67.49億マカオパタカ=約953億円(0.01%増)
>1〜11月累計:789.01億パタカ=約1兆1139億円(49.9%増)

【資料2】2013年〜2019年のマカオの年間カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・2013年:3607.49億マカオパタカ=約5兆0959億円(18.6%増)
・2014年:3515.21億マカオパタカ=約4兆9655億円(2.6%減)
・2015年:2308.40億マカオパタカ=約3兆2608億円(34.3%減)
・2016年:2232.10億マカオパタカ=約3兆1530億円(3.3%減)
・2017年:2657.43億マカオパタカ=約3兆7538億円(19.1%増)
・2018年:3028.46億マカオパタカ=約4兆2779億円(14.0%増)
・2019年:2924.55億マカオパタカ=約4兆1312億円(3.4%減)
・2020年:604.41億マカオパタカ=約8533億円(79.3%減)

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