中国本土、新型コロナ新規市中感染確認は51人…大半が浙江省、同省内での増加続く=12/10

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功したが、以降も散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が12月11日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月10日の中国本土における新規市中感染確認は51人(前日から14人増)だったとのこと。内訳は浙江省35人(紹興市17人、寧波市14人、杭州市4人)、内モンゴル自治区15人(フルンボイル市)、雲南省1人(徳宏タイ族チンポー族自治州)。このうち浙江省の20人については無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは56日連続。市中の無症状感染例についても11日連続で出現し、浙江省13人(紹興市7人、寧波市5人、杭州市1人)、江蘇省1人(無錫市)の計14人だった。

 12月10日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は1272人(うち輸入性が493人)で、重症者は28人(輸入性3人)。無症状の患者489人(輸入性403人)が医学観察下にあるとのこと。このところ10月中旬以来の再流行は落ち着いてきたが、11月下旬以降の内モンゴル自治区及び黒竜江省、浙江省における感染確認増により、再び感染確認者数に占める市中感染患者が過半数となっている。

 目下の内モンゴル自治区フルンボイル市の再流行はデルタ変異株によるもので、11月27日に最初の確認例が出現して以来、依然として連日多くの感染確認が相次ぐ状況。フルンボイル市から黒竜江省ハルビン市へ戻った患者をきっかけに、同市でも感染が広がっている。また、近日では浙江省を中心に華東エリアでも市中感染が連日確認されている。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、10月中旬以降、中国本土の多くの地域で感染力の強いデルタ株の市中感染例が散発している状況。近日、内モンゴル自治区フルンボイル市、また各地の複数の大都市でも散発的な感染例の出現が相次ぐ中、今後の行方が気がかりだ。

 このほか、マカオ特別行政区では12月10日まで62日連続市中感染確認例ゼロ、香港特別行政区でも同63日連続ゼロを維持した。具体的なスケジュールや条件等は未公表だが、中国本土、香港、マカオの三地間で隔離検疫免除の相互往来を再開する準備が進められているとされる。

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

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