香港、新型コロナ新規感染確認1619人…初歩陽性者は流行開始以来最多の約5400人=2/15

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。

 第5波のきっかけとして、隔離施設での検疫が免除されていたキャセイパシフィック航空のクルーが検疫規則に違反して外食に出かけた「望月樓」レストランに居合わせた人たち(オミクロン変異株)、市中に戻った後に隔離検疫ホテル滞在中の交差感染が発覚した女性(オミクロン変異株)、複数店舗で販売されていたオランダから輸入のハムスター(デルタ変異株)の3つが認知されており、これらが入り混じって複雑化の様相を呈している。2月に入って以降、市中における新規感染確認数が急増し、その多くが感染経路不明となるなど、状況が深刻化している。

 香港衛生当局の発表によれば、2月15日午前0時時点集計の単日の新規感染確認は2071人で、すべて市中事案とのこと(輸入性=海外からの入境者はゼロ)。ウイルス型については、オミクロン変異株疑いが1598人、デルタ変異株が12人、残りは判定結果待ち。

 単日の感染確認数は前日から約400人減だったが、直近8日間で7度目の4桁台となった。さらに、明日以降に感染確認される可能性の高い初歩陽性者は約5400人に上り、こちらは流行開始以来最多。このうち100人超が医療従事者で、大半が市中で感染したものという。

 近日、検査体制が逼迫しており、政府発表の単日感染確認数が実際の状況を反映していないという指摘もある。香港衛生当局は15日夕方の会見の中で、初歩陽性事案の約75%が24時間以内に反復検査を終えて感染確認できているが、翌日へ繰り越すケースもあり、人手と勤務時間を延長するかたちで対処しているほか、医管局で検査したサンプルについては精度が高く偽陽性の出現が少ないことから衛生署での反復検査をしないことに決まったとした。

 目下、香港では医療機関の隔離病床及び隔離施設のキャパシティが上限に近づいている状況。検査で陽性と判断された人の中で、高齢者と子供、重症者の搬送が優先されており、自宅での搬送待ちを余儀なくされる待機者の数が増えており、電話を通じたサポートが提供されている。香港政府は15日、新たに一部の団地を隔離施設として供給すること(計3000室超)、隔離検疫用としてホテルの借り上げを検討していること、待機者の需要に応じて診療・治療機会を提供する指定クリニックを域内7ヶ所設置することなどの対応策を明らかにした。指定クリニックは事前予約制とし、予約枠は1日あたり合計約1000人分とのこと。

 香港では市中で出現した感染確認及び初歩陽性者の住居のあるマンション同棟住民や立ち寄り先に居合わせた人、下水から陽性反応が検出されたエリア等が次々と強制検疫(検疫センターでの隔離検疫)や強制ウイルス検査の対象となっており、域内におけるソーシャルディスタンス措置、域外からの流入防止を目的とした水際措置の引き締めなどの策も講じられている。

 香港の2月14日午後8時時点のワクチン接種率は83.5%(1回目の接種完了)、74.3%(2回目の接種完了)となっている(※新たに接種対象となった3〜11歳は含まず)。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、市中感染確認例が相次ぎ出現したこと、ワクチンパスポート(所定施設入場時に1回以上のワクチン接種証明を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。14日単日の接種回数は8万8857回だった。政府は免疫の壁を構築するための目標として、接種率9割の達成を掲げており、ワクチンパスポートが10日から一部で先行スタートしている。

 このほか、マカオ政府教育青年局は15日、香港における流行状況の変化により、香港のほとんどの大学が学生に宿舎を出るよう呼びかける中、香港で就学するマカオ学生に対するヒアリングを実施したことを明らかにした。約100人がマカオへ戻りたい意向を示し、このうち40人が2月中を希望したため、両地の出入境措置及びPCR検査要件を満たし、防疫上の安全を確保する前提において、2月17、18日にかけてマカオの隔離検疫ホテルへの移送を実施する予定とした。

香港島南部・アバディーン地区にある団地「華富(一)邨」の特定棟(華裕樓)で実施された強制ウイルス検査の様子=2022年2月14日(写真:news.gov.hk)

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