香港、新型コロナ新規感染確認が流行開始以来最多の4285人に…初歩陽性者も約7000人=2/16

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。

 第5波のきっかけとして、隔離施設での検疫が免除されていたキャセイパシフィック航空のクルーが検疫規則に違反して外食に出かけた「望月樓」レストランに居合わせた人たち(オミクロン変異株)、市中に戻った後に隔離検疫ホテル滞在中の交差感染が発覚した女性(オミクロン変異株)、複数店舗で販売されていたオランダから輸入のハムスター(デルタ変異株)の3つが認知されており、これらが入り混じって複雑化の様相を呈している。2月に入って以降、市中における新規感染確認数が急増し、その多くが感染経路不明となるなど、状況が深刻化している。

 香港衛生当局の発表によれば、2月16日午前0時時点集計の単日の新規感染確認は前日から倍増となる4285人で、内訳は市中が4264人、輸入性(海外からの入境者)が21人。大半がオミクロン変異株疑いとのこと。

 さらに、明日以降に感染確認される可能性の高い初歩陽性者は約7000人に上る。単日の感染確認数、初歩陽性者数とも流行開始以来最多を更新。直近1日の新型コロナによる死亡者数は9人で、3歳の女児、100歳の女性、その他7人は37〜97歳とのこと。第5波下で未成年者の死亡は2人目(1人目は4歳の男児)。危篤状態の患者数は17人という。

 近日、検査体制が逼迫しており、政府発表の単日感染確認数が実際の状況を反映していないという指摘もあり、香港衛生当局が検査能力の拡充と反復検査アレンジの調整を実施して対応している。香港衛生当局は16日夕方の会見の中で、依然として数千サンプルの反復検査待ちがあることを明らかにした。また、感染者数は増加の趨勢にあり、依然として市中に伝播チェーンが存在するとみられることから、市民に対して社交活動機会を減らすよう呼びかけた。香港医管局は、目下の公立病院の隔離病床使用率は9割超で、キャパシティ上限に達したとの見方を示し、全力で隔離病床数を増やし、状況改善を図りたいとした。

 香港では市中で出現した感染確認及び初歩陽性者の住居のあるマンション同棟住民や立ち寄り先に居合わせた人などが次々と強制検疫や強制ウイルス検査の対象となっており、域内におけるソーシャルディスタンス措置、域外からの流入防止を目的とした水際措置の引き締めなどの策も講じられている。

 このほか、香港の2月15日午後8時時点のワクチン接種率は84.0%(1回目の接種完了)、74.6%(2回目の接種完了)となっている(※新たに接種対象となった3〜11歳は含まず)。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、市中感染確認例が相次ぎ出現したこと、ワクチンパスポート(所定施設入場時に1回以上のワクチン接種証明を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。15日単日の接種回数は9万0546回だった。政府は免疫の壁を構築するための目標として、接種率9割の達成を掲げており、ワクチンパスポートが10日から一部で先行スタートしている。

香港では5〜11歳の児童を対象とするワクチン接種センター2ヶ所が新たに運用開始となった=2022年2月16日(写真:news.gov.hk)

関連記事

最近の記事

  1.  澳門海關(マカオ税関)は4月29日、同月14日から26日にかけて2025年第1次粤港澳(広東・香…
  2.  マカオ半島・新口岸地区の南湾湖畔に位置する大型ショッピングモール「ワンセントラルマカオ(One …
  3.  マカオ政府博彩監察協調局(DICJ)は5月1日、今年(2025年)4月の月次カジノ売上(粗収益、…
  4.  4月30日、マカオ立法会と政府との間で2025年施政方針の運輸・工務領域における政策討論が行われ…
  5.  マカオにはコロアン島にハクサビーチ(黒沙海灘)とチョクワンビーチ(竹灣海灘)の2つのパブリックビ…

ピックアップ記事

  1.  4月30日、マカオ立法会と政府との間で2025年施政方針の運輸・工務領域における政策討論が行われ…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は4月29日、国際旅客誘致策の一環として昨年(2024年)実施した香…
  3.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  4.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  5.  仏ミシュラン社は3月13日、香港・マカオでも高い知名度と信頼性を誇る人気グルメガイド「ミシュラン…

注目記事

  1.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…

イベントカレンダー

5月 2025
    1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
« 4月   6月 »
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2025年5月号
(vol.143)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun