香港、新型コロナ新規感染確認数6211人…初歩陽性者との合計では1万5850人に=2/22

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。

 第5波のきっかけとして、隔離施設での検疫が免除されていたキャセイパシフィック航空のクルーが検疫規則に違反して外食に出かけた「望月樓」レストランに居合わせた人たち(オミクロン変異株)、市中に戻った後に隔離検疫ホテル滞在中の交差感染が発覚した女性(オミクロン変異株)、複数店舗で販売されていたオランダから輸入のハムスター(デルタ変異株)の3つが認知されており、これらが入り混じって複雑化の様相を呈している。2月に入って以降、市中における新規感染確認数が急増し、その多くが感染経路不明となるなど、状況が深刻化している。

 香港衛生当局の発表によれば、2月22日午前0時時点集計の単日の新規感染確認は流行開始以来最多だった前日から1322人減の6211人。内訳は市中が6208人、輸入性(海外からの入境者)が3人。市中ケースの大半がオミクロン変異株疑いとのこと。加えて、初歩陽性者が9639人いるとした。公立病院における単日の感染者の死亡者数は32人(これとは別に前日のデータ未反映分が7人)で、その多くがワクチン未接種の高齢者という。第5波下の死亡者数は累計145人、流行開始以来の累計は350人に。

 また、2月1日の陽性報告数は126人だったが、21日には8013人となり、この間に6回の急激な上昇があり、平均して約3日ごとに倍増している状況で、現時点でも増加が進む中、市民に対して警戒を怠らず外出を控えること、企業に対しても在宅勤務アレンジを進めるよう呼びかけが行われた。

 このほか、第5波下では高齢者介護施設関連の感染者が多く出現しており、その数はすでに300施設以上、職員230人超、入所者820人超に上ることが明らかにされた。医管局スタッフの感染者数も873人に達しており、院内感染を防止するため、フロントラインスタッフについては出勤前にスピード検査を行う措置が講じられているとのこと。

 2月に入って以降の感染急拡大を受け、検査体制の逼迫、公立病院の隔離病床の不足も深刻化している状況。目下、政府が市中の隔離施設の増強を進めているほか、中国本土から防疫専門家や検査チームも続々香港入りしている。

 香港の2月21日午後8時時点のワクチン接種率は86.4%(1回目の接種完了)、76.0%(2回目の接種完了)となっている(※新たに接種対象となった3〜11歳は含まず)。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、市中感染確認例が相次ぎ出現したこと、ワクチンパスポート(所定施設入場時に1回以上のワクチン接種証明を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。21日単日の接種回数は8万2504回で、高位を維持。政府は免疫の壁を構築するための目標として、接種率9割の達成を掲げており、ワクチンパスポートが24日から本格スタートする。

新界・沙田地区にあるプリンス・オブ・ウェールズ病院のICUを視察する中国本土の防疫専門家ら=2022年2月21日(写真:news.gov.hk)

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