2022年版フォーブス香港長者番付トップ50公表…マカオカジノ企業トップら複数ランクイン

 米国の経済誌「フォーブス」は2月24日、毎年恒例となる香港長者番付トップ50の2022年最新版を公表した。

 同誌によれば、昨年(2021年)の香港経済は輸出と消費が牽引するかたちで回復し、対前年6.4%の成長となった一方、新型コロナ対応については「ゼロコロナ」政策を採用し、厳格なソーシャルディスタンス措置が講じられたことによって、ハンセン指数は過去12ヶ月で16%下落するという混迷した状況下、香港長者番付トップ50の総資産は前年の3310億米ドル(日本円換算:約38兆1401億円)から3280億米ドル(約37兆7945億円)へわずかに減少したが、半数以上は前年から資産を増やしたとのこと。

 ランキングトップは2年連続でCKハチソンホールディングス創業者の李嘉誠氏(93)。純資産額は約4%増の360億米ドル(約4兆1482億円)。昨年、コロナ禍で普及が進んだWeb会議サービス「Zoom」への出資が奏功してトップへの返り咲きに成功したとされるが、その後、Zoomの株価は下落に転じた。しかしながら、香港の不動産市場が底堅く推移したことで、長江実業の株価が30%超の上昇となり、カバーできたという。

ギャラクシーエンターテイメントグループの呂志和会長(資料)=2018年8月、香港にて本紙撮影

ギャラクシーエンターテイメントグループの呂志和会長(資料)=2018年8月、香港にて本紙撮影

 マカオのカジノ運営企業のトップらも上位にランクインした。マカオのカジノ運営企業オーナーで番付最上位だったのが、前年から3ランクダウンの8位にランクインしたギャラクシーエンターテイメントグループ社会長の呂志和氏(92)で、純資産額は前回から約3割減の128億米ドル(約1兆4749億円)。なお、同氏の純資産額はマカオのカジノ売上がピークに達した直後の2014年に210億米ドル(約2兆4198億円)を記録したこともある。

 以下、シュンタックグループ会長兼社長、MGMチャイナホールディングス社エグゼクティブダイレクターのパンジー・ホー氏(59)が約2割減の34億米ドル(約3918億円)で3ランクダウンの28位、SJMホールディングス社の共同会長兼エグゼクティブダイレクターのアンジェラ・リョン氏(60)が約1割減の29億米ドル(約3342億円)で6ランクダウンの33位、メルコ・リゾーツ&エンターテインメントのローレンス・ホー会長兼CEO(45)が約3割減の13億米ドル(約1498億円)で8ランクダウンの46位の順。マカオカジノ関連のランクイン数は前年と同じ。

 昨年のマカオのカジノ売上は対前年43.7%増の868.63億マカオパタカ(約1兆2446億円)で、3年ぶりの対前年プラスとなったが、コロナ前の2019年との比較では3割程度にとどまっており、本格的な回復には至っていない。新型コロナ防疫対策の一環で渡航制限が講じられる中、インバウンド旅客数の低迷が続いていることが主要因。

ギャラクシーエンターテイメントグループの旗艦IR(統合型リゾート)施設「ギャラクシー・マカオ」(資料)=2021年9月、本紙撮影

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