中国本土、新型コロナ新規市中感染確認は15省市区で102人…広東省が半数近く占める=3/4

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が3月5日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月4日の中国本土における新規市中感染確認は102人(前日から41人増)だったとのこと。内訳は、広東省46人(東莞市24人、深セン市21人、恵州市1人)、吉林省19人(吉林市8人、延辺朝鮮族自治州6人、長春市5人)、内モンゴル自治区8人(フフホト市5人、フルンボイル市3人)、河北省6人(ケイ台市3人、石家庄市2人、保定市1人)、山東省5人(青島市)、天津市3人(東麗区)、上海市3人(嘉定区2人、閔行区1人)、広西チワン族自治区3人(防城港市)、海南省2人(三亜市)、雲南省2人(徳宏タイ族チンポー族自治州)、山西省1人(晋中市)、黒竜江省1人(ハルビン市)、湖北省1人(武漢市)、湖南省1人(懐化市)、四川省1人(成都市)。中国本土で市中感染確認例が出現するのは140日連続で、3桁となるのは2月26日以来。市中の無症状感染例についても21日連続で出現し、吉林省24人(吉林市)、広東省18人(東莞市)、上海市16人(松江区6人、嘉定区5人、青浦区2人、黄浦区1人、普陀区1人、宝山区1人)、雲南省8人(徳宏タイ族チンポー族自治州)、広西チワン族自治区4人(防城港市3人、百色市1人)、河北省1人(石家庄市)、江蘇省1人(南通市)、湖北省1人(武漢市)の計73人。

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市と中山市、2月6日以降に珠江東岸(香港寄り)の深セン市と東莞市をそれぞれ中心として断続的にオミクロン株の市中感染確認例が出現している状況で、3月4日まで21日連続で感染者が出現している。中でも、深セン市については、近日の市中感染事案の大半がオミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)と報告されており、感染者の出現範囲も広いという。深セン市の3月4日の感染確認例のうち2人は無症状から転じたケースで、その他は濃厚接触者または重点区域を対象とした検査を通じて発見に至ったとのこと。深セン市の北に位置する東莞市では、大朗鎮、常平鎮、虎門鎮の3エリアで別々の伝播チェーンが出現しているとされる。

 3月4日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は3465人(うち輸入性が2166人)で、重症者は14人(うち輸入性2人)。無症状の患者1500人(輸入性1049人)が医学観察下にあるとのこと。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。

 マカオ特別行政区では3月4日まで145日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。航空会社クルーをきっかけとした市中におけるオミクロン株伝播、ペットショップの輸入ハムスターが発端とみられるデルタ株伝播、隔離検疫ホテルにおける交差感染を発端としたオミクロン株の主に3つの伝播チェーンが認知されており、これらが入り混じって複雑化の様相を呈している。2月以降は感染確認数が急増しており、3月4日まで3日連続5万人超となり、第5波開始以来の累計は約39万人に。目下、香港ではステルスオミクロンの伝播が主となっているとされる。公立病院の隔離病床及び市中の隔離施設が深刻なキャパシティ不足に直面しており、中国中央のサポートを経て仮設施設の建設が進むほか、3月にかけて全市民を対象とした強制PCR検査が実施される予定。近日、港珠澳大橋を経由して香港から広東省珠海市とマカオへ向かった人、深センとの間を往来する貨物車の運転手が到着後に陽性が発覚するケースも相次いでいる。

東莞駅(資料)=中国・広東省ー本紙撮影

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