香港、新型コロナ新規感染者数は1万4152人…高止まり続く、第5波累計は約106.3万人に=3/22

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。

 2月以降、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど、状況が深刻化している。目下、市中における伝播はオミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)が主とされている。

 香港衛生当局が3月22日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から84人増(0.6%増)の1万4152人(輸入性10人含む)とのこと。4日連続で2万人を下回り、第5波開始以来の累計感染者数は約106.3万人となった。

 新規死亡確認数は245人(56〜92歳)で、このうち8人が病院へ搬送される前に死亡確認されたケース。第5波開始以来の累計死亡者数は6151人、総体死亡率は前日から0.02ポイント上昇の約0.58%に。

 当局では、近日の新規感染確認数は毎日1.5〜2万人程度を維持し、前週比で減少しているものの、第4波との比較では100倍超となっており、現状認識は安定でも大幅減でもなく「高止まり」とした。また、毎日の死亡者数が明確な減少傾向に転じておらず、感染から死亡に至るまで1〜2週間の時間差があり、直近の死亡者の多くが2週間前に感染したことから、死亡者数は今後しばらく高水準が続くとの見通しも示した。

 第5波下、高齢者介護施設に関連する感染例が多く確認されている。これまでに感染例が出現した高齢者介護施設は780軒、感染確認された入所者は全体の45%にあたる3万4180人、職員についても29%が感染確認されたという。入所者の死亡数は3370人に上る。

 2月以降の感染急拡大を受け、医療現場のキャパシティ不足が深刻化している状況。目下、政府がホテルの借り上げや公営住宅の転用、中国中央政府の支援も得て仮設の大規模隔離・治療施設の建設、医療支援チームの受け入れなどを進めて対処している。

 香港の3月21日午後8時時点のワクチン接種率は91.6%(1回目の接種完了)、82.4%(2回目の接種完了)となっている(※新たに接種対象となった3〜11歳は含まず)。3〜11歳の1回目接種率は57.8%。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。21日単日の接種回数(1〜3回目の接種合計)は6万6017回で、7日移動平均は6万3137回。年齢層別の接種率では、新たに接種対象となった3〜11歳のほか、70〜79歳と80歳以上が大きく平均を下回っており、接種率向上策が講じられている。

香港のイメージ=香港島・中環にて本紙撮影

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