中国本土の新型コロナ新規市中感染確認は18省市で1787人…上海市西部対象のロックダウンスタートへ=3/31

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。最近の再流行は主にオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)が主とされる。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が4月1日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、3月31日の中国本土における新規市中感染確認は1787人(前日から16人減)だったとのこと。内訳は、吉林省1363人(長春市1078人、吉林市276人、四平市6人、白城市3人)、上海市358人(浦東新区182人、閔行区60人、長寧区43人、徐匯区18人、黄浦区7人、普陀区7人、虹口区7人、嘉定区7人、楊浦区5人、松江区5人、奉賢区5人、静安区4人、宝山区3人、金山区3人、青浦区1人、崇明区1人)、黒竜江省16人(ジャムス市9人、ハルビン市5人、大慶市2人)、浙江省10人(寧波市4人、杭州市3人、湖州市2人、嘉興市1人)、江蘇省9人(徐州市4人、塩城市2人、鎮江市2人、無錫市1人)、福建省5人(泉州市4人、寧徳市1人)、山東省4人(済南市2人、煙台市1人、済寧市1人)、広東省4人(珠海市1人、肇慶市1人、東莞市1人、中山市1人)、河南省3人(鄭州市1人、洛陽市1人、信陽市1人)、湖南省3人(衝陽市2人、婁底市1人)、河北省2人(保定市1人、廊坊市1人)、遼寧省2人(営口市)、安徽省2人(淮南市1人、阜陽市1人)、海南省2人(瓊海市)、天津市1人(西青区)、江西省1人(南昌市)、四川省1人(楽山市)、貴州省1人(貴陽市)。このうち吉林省の24人、上海市の20人、浙江省の5人、遼寧省と福建省の各2人、天津市、安徽省、山西省の各1人の計56人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは167日連続。4桁となるのは20日連続。

 市中の無症状感染例についても5442人(前日から1209人減)に上った。近日は高止まりが続く。内訳は、上海市4144人(浦東新区2224人、閔行区330人、長寧区215人、徐匯区206人、松江区185人、奉賢区172人、楊浦区169人、静安区158人、虹口区118人、黄浦区117人、青浦区97人、嘉定区47人、崇明区42人、金山区39人、宝山区14人、普陀区11人)、吉林省871人(長春市444人、吉林市426人、白山市1人)、福建省73人(泉州市66人、寧徳市4人、福州市2人、ホ田市1人)、遼寧省61人(瀋陽市50人、大連市6人、営口市3人、鞍山市1人、葫芦島市1人)、河北省50人(唐山市32人、廊坊市17人、ケイ台市1人)、安徽省49人(淮南市22人、阜陽市15人、蕪湖市5人、蚌埠市3人、馬鞍山市2人、銅陵市1人、宣城市1人)、江蘇省34人(蘇州市13人、南通市9人、無錫市6人、徐州市3人、淮安市1人、鎮江市1人、宿遷市1人)、山東省28人(浜州市9人、棗荘市7人、臨沂市4人、青島市3人、煙台市3人、済南市1人、徳州市1人)、江西省18人(南昌市16人、上饒市2人)、黒竜江省17人(ジャムス市12人、ハルビン市3人、黒河市2人)、河南省17人(周口市8人、洛陽市2人、鶴壁市2人、信陽市2人、駐馬店市2人、鄭州市1人)、広西チワン族自治区16人(百色市14人、防城港市2人)、広東省14人(東莞市8人、深セン市2人、広州市1人、汕頭市1人、肇慶市1人、惠州市1人)、新疆ウイグル自治区13人(バインゴリンモンゴル自治州10人、ウルムチ市3人)、甘粛省9人(蘭州市)、浙江省8人(杭州市3人、嘉興市3人、湖州市1人、衢州市1人)、湖北省5人(黄石市3人、鄂州市1人、随州市1人)、天津市3人(河北区1人、東麗区1人、浜海新区1人)、内モンゴル自治区2人(フフホト市)、湖南省2人(長沙市)、海南省2人(三亜市)、重慶市2人(南岸区1人、梁平区1人)、四川省2人(徳陽市1人、楽山市1人)、雲南省2人(紅河ハニ族イ族自治州1人、徳宏タイ族チンポー族自治州1人)。

中国・上海(資料)—本紙撮影

中国・上海(資料)—本紙撮影

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市と中山市、珠江東岸(香港寄り)の深セン市と東莞市をそれぞれ中心として断続的に市中感染確認例が出現している状況だが、近日の両市の感染確認数は低位を維持している。珠海市では、近日散発的に市中感染者が出現しており、市内の一部で大規模なPCR検査が実施されているほか、市外からの流入に対する警戒が高まっており、防疫規定違反も相次ぎ摘発されている。

 このところ中国本土の多くの省市区で新規感染者の出現が相次いでいるが、特に深刻なのが連日4桁台が続く東北部の吉林省と華東部の上海市。上海市では3月28日から4月5日かけて、黄浦江を境に市の東・南部と西部に分けて、順番に事実上のロックダウンを伴う全市民を対象としたPCR検査が実施されている。4月1日から5日にかけては、より人口の多い(約1600万人)西部の12区が対象となり、住民は自宅にとどまることが求められ、公共交通機関も運休に。ロックダウン終了済みの東・南部についても、感染者が出現した場所についてが封鎖され、住民は外出禁止に。その周辺一帯も閉塞管理区域となり、区域外への外出が制限される。さらに、その他の地域でも厳格な人流管理が行われるという。このほか、上海市当局は、4月2日から市外へ向かう際、48時間以内のPCR検査陰性証明に加え、24時間以内の抗原検査陰性証明の提示を求める措置を講じることを発表している。

 3月31日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は2万9306人(うち輸入性が695人)で、重症者は66人(輸入性はゼロ)。無症状の患者5万9056人(輸入性1182人)が医学観察下にあるとのこと。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「動態清零(ゼロコロナ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。

 マカオ特別行政区では3月31日まで172日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。2月以降は感染確認数が急増しており、第5波開始以来、3月31日までの累計は約114.4万人(無症状含む)、死亡者数は7612人に。3月初旬にピークを過ぎたとされ、直近6日連続で新規感染確認数が1万人以下となったが、依然として高止まりが続く状況。目下、香港ではステルスオミクロンの伝播が主となっているとされる。

 上述の通り、マカオは安定を維持しているものの、近日は中国本土で出現した感染例の濃厚接触者あるいは二次接触者に認定され、隔離検疫の対象とされるケースや輸入品に付着したウイルスの発見も相次いでおり、流入に備えて防疫措置が引き締めとなっている。

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