中国本土の新型コロナ新規市中感染者数は約2.6万人…上海市が95%超、高止まり続く=4/16

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)の流入を受け、一部地域で比較的大規模な再流行が出現している。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が4月17日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月16日の中国本土における新規市中感染確認者数は3504人(前日から363人減)だったとのこと。内訳は、上海市3238人、吉林省167人、黒竜江省32人、広東省29人、浙江省10人、山西省9人、青海省5人、河南省3人、陝西省3人、江蘇省2人、福建省2人、山東省2人、遼寧省1人、湖南省1人。このうち上海市の1177人、吉林省の36人、広東省の4人、浙江省の2人、青海省の2人、山西省の1人、福建省の1人、河南省の1人の計1224人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは183日連続。4桁となるのは36日連続。上海市では3日連続で3千人を上回った。

 市中の無症状感染例は2万2512人(前日から1699人増)。内訳は、上海市2万1582人、吉林省525人、江蘇省85人、安徽省58人、雲南省51人、山西省36人、黒竜江省28人、福建省21人、山東省21人、浙江省20人、河南省19人、広西チワン族自治区17人、湖北省12人、広東省11人、遼寧省7人、青海省7人、河北省5人、江西省3人、内モンゴル自治区2人、陝西省2人。

 無症状を含む新規感染者が5桁となるのは15日連続で、12日連続2万人超(約2.6万人)。上海市の報告数が2万4820人に上り、95.4%を占めた。

 4月16日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は2万7885人(うち輸入性が256人)で、重症者は78人(輸入性はゼロ)。無症状の患者28万3814人(輸入性771人)が医学観察下にあるとのこと。

中国・上海(資料)—本紙撮影

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロコロナ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市と中山市、珠江東岸(香港寄り)の深セン市と東莞市をそれぞれ中心として断続的に市中感染確認例が出現していたが、このところ両市の感染確認数は低位を維持している。4月8日以降、省都の広州市では白雲区を中心に感染者の出現が相次ぎ、累計感染報告数は180人超に達している。16日の広東省の感染確認29人中21人が広州市から報告されたもの。同市では11日から不要不急の市外への移動が制限されたほか、学校の対面授業が中止となっているが、18日から白雲区以外で高三生に限って対面授業が再開する見通しが示された。ただし、登校に際して、本人及び同住者の48時間以内のPCR検査陰性証明の提示が必須とのこと。

 このところ中国本土の多くの省市区で新規感染者の出現が続いているが、特に深刻なのが華東部の上海市と東北部の吉林省。上海市では3月下旬から事実上のロックダウン状態が続き、市民は長期にわたって自宅待機を余儀なくされているが、本格的なロックダウンの解除時期も見通せない状況。16日は、感染確認数は前日から下落したものの、無症状は増加に転じ、再び2万人台に。17日午前の市当局の発表によれば、直近2日間の陽性者数は高止まりしているものの、リスク群における陽性比率は下落傾向にあり、状況は安定しているという。

 マカオ特別行政区では4月16日まで188日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。2月以降は感染確認数が急増しており、第5波開始以来、4月16日までの累計は約118.4万人(無症状含む)、死亡者数は8897人、死亡率は0.75%に。3月初旬にピークを過ぎたとされ、15日には約2ヶ月ぶりに1千人以下となった。これまで香港では上海市のような全域レベルでのロックダウンは実施されておらず、特定のマンションや区域を対象とした局地ロックダウンにとどまる。

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