香港の新型コロナ新規感染者数600人、5日連続1千人以下…小学校の授業再開初日、15人が迅速抗原検査陽性で登校できず=4/19

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。

 2月から3月にかけて、オミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は、新規感染確認数が下落傾向を維持している。

 香港衛生当局が4月19日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から13人減(2.1%減)の600人(輸入性11人含む)とのこと。内訳は迅速抗原検査経由が280人、PCR検査経由が320人。5日連続で1千人以下となり、このところ連日ピーク期以降最少の更新が続く。第5波開始以来の累計感染者数は118万6407人。

 新たに医管局から報告された死亡者数は17人で、第5波開始以来の累計死亡者数は8963人に。

 2月以降の感染急拡大によって、医療現場のキャパシティ不足が深刻化したため、中国中央政府の支援も得て仮設の大規模隔離・治療施設の建設、医療支援チームの受け入れなどが進められたが、このところは状況が大きく改善。一時ストップしていた局地ロックダウンによる強制ウイルス検査も再開された。

 香港ではイースター連休明けのきょう(19日)から小学校の対面授業が再開となった。教員と児童は毎日迅速抗原検査を行い、結果が陰性の場合のみ登校可能とされている。当局の発表によれば、19日に対面授業を再開した52のローカル小学校と65のインターナショナル校のうち、前者で生徒2人(別の学校)、後者で教員1人と生徒12人(同一校だが所属クラスは分散)が検査結果陽性で投稿できなかったとのこと。再開初日のため、校内ではなく家中または市中で感染したものとみて、特別調査を実施する必要はないとした。なお、中学校(日本でいう高校含む)はHKDSEと呼ばれる大学共通入学試験後の5月3日から、幼稚園についても5月3日からの対面授業再開が予定されている。

 香港の4月18日午後8時時点のワクチン接種率は92.7%(1回目の接種完了)、86.6%(2回目の接種完了)となっている(※新たに接種対象となった3〜11歳は含まず)。3〜11歳の1回目接種率は64.5%。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。ただし、近日は再び頭打ち状態に。18日単日の接種回数(1〜3回目の接種合計)は1万6268回で、7日移動平均は2万6132回。年齢層別の接種率では、新たに接種対象となった3〜11歳のほか、70〜79歳(83.0%)と80歳以上(61.0%)が大きく平均を下回っており、接種率向上策が講じられている。当局は、4月末までに高齢者の接種率9割を達成することを目標として掲げている。

香港ではワクチン接種率向上策の一環として4月19日から70歳以上と病気や障がいにより行動に不便がある人を対象とした訪問接種サービスの申込受付が開始に(写真:news.gov.hk)

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