中国本土の新型コロナ新規市中感染者数は約6千人、3日連続1万人以下…上海が9割超、北京では12の区で全員PCR検査実施=5/2

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)の流入を受け、一部地域で比較的大規模な再流行が出現している。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が5月3日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月2日の中国本土における新規市中感染確認者数は368人(前日から478人減)だったとのこと。内訳は、上海市274人、北京市51人、黒竜江省13人、広東省7人、遼寧省5人、江西省5人、福建省3人、山東省3人、山西省2人、河南省2人、内モンゴル自治区1人、重慶市1人、四川省1人。このうち上海市の155人、北京市の3人、遼寧省の2人、広東省の2人、山西省の1人、重慶市の1人の計164人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは199日連続、3日連続で3桁となった。

 市中の無症状感染例は5647人(前日から1248人減)。内訳は、上海市5395人、遼寧省79人、浙江省34人、江西省29人、新疆ウイグル自治区26人、吉林省21人、江蘇省13人、北京市11人、山東省11人、黒竜江省10人、河北省5人、広東省5人、河南省4人、雲南省2人、安徽省1人、重慶市1人。

 無症状を含む新規感染者数は6015人で、3日連続1万人以下に。このうち上海市の報告数が5669人に上り、全体の94.2%を占めた。

 5月2日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は1万6266人(うち輸入性が168人)で、重症者は615人(輸入性はゼロ)。無症状の患者13万3610人(輸入性516人)が医学観察下にあるとのこと。

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロコロナ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。現時点でもゼロコロナ政策を堅持する考えを重ねて強調しており、何らかの封鎖措置が講じられている地域が多く存在する。

 このところ中国本土の多くの省市区で新規感染例の出現が続いているが、特に深刻なのが上海市。同市では3月下旬から事実上のロックダウン(都市封鎖)状態が続き、その解除時期も見通せない状況。ただし、このところ同市における新規感染確認数は緩やかな下落傾向にある。今回の再流行が始まって以来の同市の累計感染確認数は約5.4万人、死亡者数は474人。

 4月22日以降、北京市でも感染例の出現が相次いでおり、今回の再流行における感染者の累計は約350人に。ここまで市内14の区で感染確認例が出現しており、特に多いのが朝陽区で、房山区と通州区がそれに次ぐとのこと。5月3日から市内12の区で全員PCR検査(3回受検)が実施される。

 香港・マカオと陸で接する広東省でも、今年に入って以降、広州市、深セン市、東莞市、珠海市、中山市などで断続的に市中感染確認例が出現していたが、このところ状況は落ち着いており、4月22日までに省内全域が低リスク地域に復帰した。ただし、近日は広州白雲国際空港の職員及びその同住者を中心とした新たな感染例が相次ぎ出現しているが、これまでのところ隔離対象以外の一般市中における感染例は報告されていないという。

 マカオ特別行政区では5月2日まで204日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。2月から3月頭にかけて感染確認数の急増があり、第5波開始以来、5月2日までの累計は約119.2万人(無症状含む)、死亡者数は9105人、死亡率は0.76%に。3月初旬にピークを過ぎたとされ、直近では2日まで9日連続500人以下を維持。2日単日では283人(輸入性11人含む)で、2日連続ピーク期以降の最少を更新。これまで香港では上海市のような全域レベルでのロックダウンは実施されておらず、特定のマンションや区域を対象とした局地ロックダウンにとどまる。

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