2024年マカオのカジノ運営6社の利益合計は約5238億円に…前年から59%増、全社が黒字に

 アフターコロナ2年目となったマカオの昨年(2024年)通期のカジノ売上(粗収益、Gross Gaming Revenue=GGR)は前年から23.9%増、コロナ前2019年の79.7%に相当する2267.82億パタカ(日本円換算:約4兆0502億円)まで回復が進んだ。

 目下、マカオのカジノ施設数は30軒で(昨年末時点と変わらず)、政府とコンセッション(経営権契約)を結ぶ6つの民間事業者が運営している。

 4月23日及び4月30日付のマカオ政府公報にカジノ経営6陣営=SJMリゾーツ社、ウィンリゾーツマカオ社、ヴェネチアンマカオ社(サンズチャイナ)、ギャラクシーカジノ社(ギャラクシーエンターテインメントグループ)、MGMグランドパラダイス社(MGMチャイナホールディングス)、メルコリゾーツマカオ社の昨年(2024年)の業績が掲載された。

 これによれば、2023年は5社が黒字、1社が赤字(SJMリゾーツ社)だったが、2024年にアフターコロナで初めて全6社が黒字に。6社の利益合計は前年から59.4%増の293.3億パタカ(約5238億円)に上った。個別の黒字額は下記の通り。

・MGMグランドパラダイス社:57億パタカ(約1018億円)
・ギャラクシーカジノ社:85億パタカ(約1519億円)
・ヴェネチアンマカオ社:81.2億パタカ(約1451億円)
・メルコリゾーツマカオ社:18.8億パタカ(約336億円)
・ウィンリゾーツマカオ社:45.3億パタカ(約809億円)
・SJMリゾーツ社:6億パタカ(約107億円)

 なお、コロナ禍の3年間の6社合計の赤字推移は2020年が330億パタカ(約5895億円)、2021年が191億パタカ(約3412億円)、2022年が369億パタカ(約6592億円)で、累計890億パタカ(約1兆5927億円)に達した。アフターコロナ2年間累計の黒字は477.2億パタカ(約8540億円)となっており、コロナ禍3年分のマイナスを挽回するには、しばらく時間がかかりそうだ。

 なお、今年(2025年)のGGRについては、第1四半期終了時点で前年同時期から0.6%増の576.57億パタカ(約1兆0318億円)、2019年同時期からの回復率は75.7%となっており、やや回復ペースがスローダウンしている状況。

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の風景(資料)=2020年7月本紙撮影

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