香港の新型コロナ新規感染者数273人、4日ぶり増…火鍋店クラスターは20人に拡大=5/10

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が続く。

 2月から3月にかけて、オミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は緩やかな減少傾向を維持している。

 香港衛生当局が5月10日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から40人増の273人(輸入性27人含む)とのこと。内訳はPCR検査経由が135人、迅速抗原検査経由が138人。4日ぶりに上昇となったが、17日連続500人以下を維持した。第5波開始以来の累計感染者数は119万4460人。

 新規の死亡報告は5人で、第5波開始以来の累計死亡者数は9139人に。

 香港では、流行状況の安定を受けて、4月中旬から学校の対面授業再開、ソーシャルディスタンス措置の第一段階緩和と第二段階の一部先行緩和が実施されているが、新規感染者数の目立ったリバウンドは出現していない。

 ただし、近日は新界・元朗地区にある火鍋店でクラスターが出現。これに関連する感染者が10日新たに8人確認され、累計20人となった。内訳は5月1日の夕食時間帯に店内に居合わせた客17人と、その同住者1人、また別の客の勤務先の高齢者介護施設の入所者1人、このレストランのシェフ1人。なお、ソーシャルディスタンス措置の緩和以降で認知されているレストラン絡みのクラスターは本件のみ。

 このほか、第5波のピーク期には、高齢者介護施設に絡む感染者の出現が相次いだ。当局は高齢者介護施設に対する再度の検査を段階的に実施する方針を示しており、これまで3000人が検査を受け、20〜30人の陽性者が見つかったとのこと。

 5月9日午後8時時点の香港の3歳以上の人口におけるワクチン接種率は91.4%(1回目の接種完了)、85.4%(2回目の接種完了)となっている。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。ただし、近日は再び頭打ち状態に。9日単日の接種回数(1〜4回目の接種合計)は1万8039回で、7日移動平均は2万8536回。年齢層別の接種率(1回目の接種完了)では、3〜11歳(71.57%)、70〜79歳(79.97%)、80歳以上(64.99%)が大きく平均を下回っており、高齢者に対する訪問接種サービスを展開するなどの接種率向上策が講じられている。

香港特別行政区のイメージ(資料)—本紙撮影

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