マカオで今年初のツツガムシ病感染例報告…患者の容体は深刻、望廈山訪問が日課

 マカオ政府衛生局(SSM)は5月11日、マカオで感染症のツツガムシ(恙虫)病とみられる患者が1人報告されたと発表。

 SSMによれば、患者はリタイア生活を送るマカオ人の女性(67)で、5月4日に微熱のほか、咳や鼻水といった上呼吸器系の症状が出たため医療機関を受診。3日後、右腋下のリンパ節の腫れ、息切れ、胸部圧迫感、めまい、脱力感が生じたため、大型総合病院にあたる鏡湖醫院の救急外来を受診し、呼吸不全、心不全と診断され、集中治療室に入院。また、患者の背中から豆粒大のかさぶたが1つ見つかったとのこと。目下、患者の容体は深刻で、同居の家族、友人らに類似の症状は見受けられないという。

 患者に潜伏期間中の外遊歴はなかったが、日課として毎朝マカオ半島北部にある望廈山へ運動に出掛けており、その際に草の中を歩いていたとされる。

 ツツガムシ病は日本で第4類感染症に指定されており、ツツガムシリケッチアと呼ばれる病原体の感染によって引き起こされる、人獣共通感染症のひとつ。野ネズミなどの哺乳類に寄生するダニの一種、ツツガムシのうちの一部が媒介者となる。ツツガムシが生息する野山や河川敷で罹患することが多い。ツツガムシ病の初期症状はインフルエンザににており、食欲減退、頭痛、悪寒、高熱などがみられ、4、5日目には発疹が現れる。放置すると肝臓や腎臓の機能にも影響が及ぶといわれる。

 マカオでツツガムシ病の感染例が見つかったのは今年初めてのこと。マカオで輸入性ではないツツガムシ病の感染例が見つかるのは極めて稀なケース。SSMは域内におけるツツガムシ病感染者の出現を受けて、野外活動の際にむやみに草むらに入らない、肌の露出が少ない服装を心がける、ダニに効く虫除けスプレーなどを使用するなどの防御策を徹底するよう市民に呼びかけた。

マカオの大型総合病院として知られる鏡湖醫院(資料)-本紙撮影

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