マカオのカジノで偽造チップの現金化試みる…元VIPルーム従業員の男2人逮捕、巨額詐欺で

 マカオ司法警察局は5月11日、同月4日にコタイ地区の統合型リゾート(IR)併設カジノのキャッシャー窓口で額面10万香港ドル(日本円換算:約150万円)のゲーミング(カジノ)チップ1枚の現金化を試みたとしてマカオ人の男2人を巨額詐欺罪で逮捕、起訴したと発表。

 被疑者はいずれも元カジノVIPルームのスタッフで、以前は同僚、現在は友人関係にあるとのこと。

 警察発表によれば、5月4日午前3時頃、被疑者2人が持ち込んだチップが偽造であることをキャッシャー窓口の職員が見破り、知らせを受けた警備スタッフが現場で1人(32)を取り押さえた上、警察に通報したという。残る1人(40)は混乱に乗じて逃走したが、同日午後、勤務先にいたところを警察が逮捕した。

 警察の調べに対し、現場で逮捕された男は、チップは数ヶ月前に路上で拾ったもので、偽造とは知らなかったなどと供述。また、逃走後に逮捕された男は1万香港ドル(約15万円)の報酬のためにやっただけで、チップが偽造だったとは知らなかったなどとしたが、警察は2人が偽造チップであることを知った上で犯行に及んだものとみて起訴するに至ったとした。

 マカオのカジノ施設でテーブルゲームに参加する際、現金ではなくチップを使用する。チップは少し分厚いコインのような形をしており、額面によって色やデザインが異なるが、いずれも小さく軽く、高額チップも存在する。

 チップはカジノのキャッシャーで額面の現金と交換することができる。つまり、現金そのもの。マカオのカジノでは、しばしばチップを狙った犯罪が発生している。今回の事件のような偽造チップや不正な手段で獲得したチップが絡む事案も少なくない。

ゲーミングチップとバカラテーブルのイメージ(資料)—本紙撮影

ゲーミングチップとバカラテーブルのイメージ(資料)—本紙撮影

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