香港の新型コロナ新規感染者数329人…今後ソーシャルディスタンス措置第二段階緩和でリバウンド懸念も=5/18

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が続く。

 2月から3月にかけて、オミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は緩やかな減少が続いたが、このところは単日200〜300人程度を行き来しており、下げ止まっている。

 香港衛生当局が5月18日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から1人増の329人(輸入性31人含む)とのこと。2日連続で増加し、300人台となったが、25日連続500人以下を維持した。第5波開始以来の累計感染者数は約119.7万人。新規の死亡報告数は4人で、第5波開始以来の累計死亡者数は9152人、死亡率は横ばいの0.765%。死亡報告があったは3日ぶりのことだった。

 香港では、4月から段階的に水際措置を緩和したため、このところ輸入性の感染例が連日出現し、オミクロン変異株亜種(BA.4など)の感染者も相次ぎ見つかっている。

 また、流行状況の安定を受けて、4月中旬から学校の対面授業再開、ソーシャルディスタンス措置の第一段階緩和と第二段階の一部先行緩和が実施された。ソーシャルディスタンス措置の緩和によって、近日はクラスターの発生が相次ぐほか、多くのエリアの下水検査で陽性や高いウイルス量が検測されている。

 明日(19日)からソーシャルディスタンス措置の第二段階緩和が予定通り実施される。当局は18日夕方の会見で、これを受けて今後リバウンドが発生する可能性も否定できないとし、状況をみながら措置を変更するかを見極めるとした。加えて、市民に対して過度な心配は必要ないが、措置の緩和後すぐに集会や食事に出かけることなく、個人衛生管理に気を配り、ワクチン接種を済ませるよう呼びかけた。

 5月17日午後8時時点の香港の3歳以上の人口におけるワクチン接種率は91.7%(1回目の接種完了)、86.0%(2回目の接種完了)となっている。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。ただし、このところは再び頭打ち状態に。17日単日の接種回数(1〜4回目の接種合計)は2万9530回で、7日移動平均は2万8706回。年齢層別の接種率(1回目の接種完了)では、3〜11歳(72.36%)、70〜79歳(80.37%)、80歳以上(66.04%)が大きく平均を下回っており、高齢者に対する訪問接種サービスを展開するなどの接種率向上策が講じられている。

香港特別行政区のイメージ(資料)—本紙撮影

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