マカオ、カジノ売上見込み下方修正へ…5月終了時点の進捗率18.3%

 マカオ特別行政区の賀一誠(ホー・ヤッシン)行政長官は6月6日、今年度(2022年1〜12月)のカジノ売上見込みについて、下半期に提出を予定している修正予算案で引き下げる考えを明らかにした。

 マカオ政府の今年度予算におけるカジノ売上見込みは前年度から据え置きの1300億パタカ(約2兆1238億円)で、5月終了時点の進捗率は18.3%にとどまる。前年(通期)も大幅未達(66.8%)だった。

 カジノ売上が低迷要因として、インバウンド旅客数の回復が想定通り進んでいないことが挙げられる。コロナ前ベースでマカオのインバウンド旅客数の約7割を占めるのが中国本土からの旅客。中国本土とマカオの間に関しては、2020年第4四半期までに条件付きで隔離検疫免除での相互往来が再開となり、旅客の戻りが期待されていたが、その後のマカオにおける市中感染例の出現、マカオに近い広東省を含む中国本土各地で再流行が度々出現したことで、水際措置の強化や移動制限が講じられるなどした結果、インバウンド旅客数はアップダウンを繰り返し、本格的な回復には至っていない状況。

 マカオでは直近8ヶ月にわたって新型コロナの市中感染例ゼロを維持し、中国本土の状況もようやく落ち着いてきたところだが、年内残る7ヶ月で見込みを達成するのは困難とみられている。

 カジノ売上はマカオ政府にとって大きな財源となるカジノ税の算出根拠となる。コロナ禍でカジノ売上の低迷が始まって以降、政府は財政準備金の切り崩しで穴埋めを行っており、今年下半期の修正予算案についても同様の対応が予想される。なお、マカオ政府はコロナ前に潤沢な財政準備金を積み立てている。

カジノのイメージ(資料)—本紙撮影

カジノのイメージ(資料)—本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  マカオでウィンマカオ(マカオ半島新口岸地区)及びウィンパレス(コタイ地区)の両カジノIR(統合型…
  2.  澳門海關(マカオ税関)は2月13日、消費者権益の保護と市場の秩序維持を目的に情報収集及び市内各エ…
  3.  マカオ半島新口岸地区にある統合型リゾート(IR)運営会社は2月13日、同IRのフレンチレストラン…
  4.  マカオ政府とカジノ経営コンセッションを結ぶ6陣営の一角で、マカオ半島でMGMマカオ、コタイ地区で…
  5.  マカオ政府統計・センサス局は2月13日、昨年通期(2024年1〜12月)及び昨年第4四半期(20…

ピックアップ記事

  1.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  2.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(Light Rapid Transit)」の新線「横琴線(…
  4.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…

注目記事

  1.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  2.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2025年2月号
(vol.140)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun