香港の新型コロナ新規感染者数が3日ぶり500人以下に…迅速抗原検査経由の算入基準変更=6/7

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が続く。

 2月から3月にかけて、オミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は緩やかな減少が続いたが、長く単日200〜300人程度でこう着状態が続いた後、近日は400〜500人程度に上昇している。

 香港衛生当局が6月7日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から54人減の489人(輸入性53人含む)とのこと。内訳はPC検査経由が231人、迅速抗原検査経由(反復検査で陽性が確定したもの)が258人。4日ぶりに減少となり、3日ぶりに500人以下となった。また7日連続で200〜300人水準を上回る状況。第5波開始以来の累計感染者数は約120.3万人。新規の死亡報告数は3人で、第5波開始以来の累計死亡者数は9176人に。

 近日、感染確認例に占める迅速抗原検査経由の陽性報告数の割合が増えているが、偽陽性だけでなく、意図的な虚偽報告もあったとされる。当局は7日夕方の会見で、同日から迅速抗原検査経由の感染確認数について、従来の報告ベースから反復検査で陽性と確定したものに限って算入することに変更したことを明らかにした。反復検査で陰性と判明するケースが多く、事前に当局が想定していた偽陽性率を上回る状況が続いたためとした。虚偽報告が行われる背景には、隔離命令を受けたり、回復証明を取得する目的があるとみられ、すでに当局が対抗策を講じている。

 香港では、4月から段階的に水際措置を緩和したため、このところ輸入性の感染例が連日出現し、人数は30人前後。オミクロン変異株亜種(BA.4、BA2.12.1など)の感染者も相次ぎ見つかっている。

 また、流行状況の安定を受けて、4月中旬から5月中旬にかけて学校の対面授業再開、ソーシャルディスタンス措置の緩和(第一段階及び第二段階)が段階的に進んだ。ソーシャルディスタンス措置の緩和以降、レストランやバーでクラスターの発生が相次ぎ、関連感染者数が数十人規模に達した例があるほか、隔離検疫ホテルで発生した交差感染から市中でのオミクロン変異株亜種(BA2.12.1)の伝播につながったケースもある。

 ソーシャルディスタンス措置の第二段階緩和によって、5月19日からバーの営業が再開可能となって以降、バーでのクラスターが相次いで発生する状況。クラスターが発生したのは、いずれも香港島セントラル地区にある4軒(Zentral、Iron Fairies、LINQ、Shuffle)で、これに関連する新たな感染例が7日も多数確認され、累計300人近くにまで拡大した。

 このほか、7日の学校からの陽性報告数は62校の72人。最多だった前日との比較では大幅減となったが、対面授業再開後の平均水準を上回る状況。

 香港特別行政区の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は7日午前の会見において、6月中のソーシャルディスタンス措置の追加緩和を見送るとする従来方針を維持した。林鄭行政長官の任期は6月末日までとなっている。

 6月6日午後8時時点の香港の3歳以上の人口におけるワクチン接種率は92.2%(1回目の接種完了)、87.4%(2回目の接種完了)となっている。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。ただし、このところは再び頭打ち状態に。6日単日の接種回数(1〜4回目の接種合計)は2万6711回で、7日移動平均は3万6221回。年齢層別の接種率(1回目の接種完了)では、3〜11歳(74.41%)、70〜79歳(81.16%)、80歳以上(67.82%)が大きく平均を下回っており、高齢者に対する訪問接種サービスを展開するなどの接種率向上策が講じられている。

香港の町並み(資料)—本紙撮影

香港の町並み(資料)—本紙撮影

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