マカオ、2024年2Qの総体失業率は1.7%…コロナ前2019年水準まで回復、月給中位数は約34万円

 マカオ政府統計・センサス局(DSEC)は7月26日、今年第2四半期(2024年4〜6月期)の雇用統計を公表した。

 総体失業率は1.7%、マカオ居民(マカオ居民IDカード保有者、いわゆるローカル)に限った失業率は2.3%で、いずれも前の四半期から0.4ポイント下落(良化)で、両指標ともコロナ前2019年同時期と同水準まで回復した。不完全雇用率については横ばいの1.5%。

 今年第2四半期と前回調査(2024年3〜5月期)との比較では、総体失業率とローカルの失業率がそれぞれ0.2ポイント下落、不完全雇用率は0.1ポイント上昇。今年第2四半期のマカオ居住の労働人口は38.30万人、就業人口は4300人増の37.64万人で、マカオ居民に限ると3400人増の28.70万人。失業人口は600人減の6600人で、6調査期連続で減少、また2019年同時期並みとなった。新たな職を探す失業者のうち、直前までカジノ・カジノ仲介業、小売業に従事していた人の数が多くを占めた。このほか、初めての職探しをする人が占める割合は1.8ポイント上昇の8.0%に。

 ノンゲーミング(非カジノ)セクターが牽引するかたちで、今年第2四半期の就業人口とローカルに限った就業人口は前の四半期からそれぞれ5300人、3000人増加。このうちホテル・飲食業(5.10万人)、ホールセール・リテール業(4.66万人)の就業人口がそれぞれ1600人、1400人増。一方、不動産・ビジネスサービス業(3.01万人)とゲーミング業ではそれぞれ1600人、1100人減。

マカオ政府労工事務局が開催したジョブマッチングイベントの様子(写真:DSAL)

 今年第2四半期の就業人口全体の月給中位数は1万7900パタカ(日本円換算:約34.3万円)で、前の四半期から100パタカ(約1920円)減。 マカオ居民に限った月給中位数は500パタカ(約9590円)減の2万パタカ(約38.4万円)。主な増加要因として、前の四半期に一部業界でダブルペイ及びボーナスの支給があったことでベースが高かったことが挙げられる。

 就業調査の統計対象はマカオ半島、タイパ・コロアン島にある住宅の居住者(学生寮や高齢者入所施設等のグループホームを除く)で、域外からマカオへ越境通勤する マカオ居民及び海外労働者は含まれない。出入境資料を元にマカオ居民及び海外労働者の越境通勤者数は約10.31万人と推計され、これを含むマカオの総労働力は前回調査から3900人増の48.61万人。

 インバウンド依存度の高いマカオ経済はコロナ禍で長期低迷を余儀なくされ、ローカルの失業率は2022年6〜8月期に過去最悪の5.5%を記録。昨年の年初からはアフターコロナでインバウンド旅客数が急回復し、人材需要にも好影響が及んでいる状況。コロナ禍では雇用の調整弁となる海外労働者数が大幅減となったが、アフターコロナで増加に転じている。

 マカオ政府労工事務局(DSAL)は今年も定期的にジョブマッチングフェアの開催、職業訓練機会の提供するなど、ローカルの就業支援に継続して取り組んでいるとのこと。同局によれば、今年1〜7月に開催したジョブフェア等のマッチング機会を通じて8039人の就職を支援し、前年同時期から8%増加したとのこと。

マカオの最近の主要就業指標(※DSEC公表の図版をベースに作成)

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