マカオの衛星カジノ施設「リオ」と「プレジデント」が休業…「グランドエンペラー」は一転営業継続へ

 マカオのカジノ運営6陣営の一角にあたるギャラクシーエンターテインメントグループ(銀河娯楽集団、以下GEG)は6月16日、「リオカジノ(利澳娯楽場)」と「プレジデントカジノ(総統娯楽場)」について、同月17日から一時休業すると発表。

 2施設はいずれもマカオ半島新口岸地区の同名ホテル内にあり、GEGが自社施設外で展開する衛星カジノ(サテライトカジノ)ブランド「シティクラブ(城市娯楽会)」に属する。

 2施設の従業員については、雇用条件を維持した上で別のカジノ施設に配置転換するという。

 リオカジノの入口には通告文が掲出されており(17日午前時点)、ポイント移管する問い合わせは同ホテル1階のカウンターまたは電話で受け付けるとし、ゲーミングチップ(キャッシュチップ)及びスロットチケット(バウチャー)の交換はGEG直営のギャラクシーカジノまたはスターワールドカジノのキャッシャーへ持ち込むよう案内がなされているのが確認できた。

マカオの衛星カジノのひとつ「リオカジノ」(資料)=本紙撮影

 衛星カジノとは、コンセッション事業者の所有ではない物件内にあり、フランチャイズのような契約形態で運営されるカジノ施設を指し、その数は約20施設。主にマカオ半島新口岸地区の中規模ホテルなどに入る施設が該当する。目下、マカオでは娯楽場幸運博彩経営法律制度(通称「カジノ法」)の改正手続きが進められているが、衛星カジノの取り扱いが一つの争点となっている。衛星カジノはコンセッション事業者と比較して体力が乏しく、長引くコロナ禍のインバウンド旅客減で経営困難に直面している施設も多いとされる。

 なお、今年4月にはマカオ半島中心部にある「グランドエンペラーホテル(英皇娯楽酒店)」運営会社がカジノ運営事業者であるSJM社との契約延長を行わず、6月26日をもって同ホテルに併設するカジノ施設、「グランドエンペラーカジノ」の営業を終了すると発表していたが、同施設については年内いっぱいまで営業を継続することが明らかとなった。

 マカオの政府系放送局、TDMが16日朝のラジオニュースで報じた内容によれば、グランドエンペラーホテル全額出資子会社の天豪社とSJM社が15日に契約を締結したとのこと。天豪社がSJM社に対してホテル客室、料飲及びその他サービスを提供し、SJM社が一定の上限額を設定した上で相応の費用を支払う内容で、天豪社がSJM社に対してホテル内のスペースをカジノサービス用途として無償提供することも盛り込まれているという。

マカオの衛星カジノのひとつ「プレジデントカジノ」(資料)=本紙撮影

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