マカオ市中でオミクロン「BA.5.1」陽性者出現続く…6/24単日80人増、6/18以降の累計190人に

 マカオでは、約8ヶ月にわたって新型コロナの市中感染確認例ゼロを維持していたが、6月18日深夜以降、陽性者の出現が続いている。

 今回の流行は、感染力が非常に強いとされるオミクロン変異株派生型の「BA.5.1」によるものとされ、人口密度が極めて高いマカオにとって、大きな脅威となっている。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは6月25日午後5時から会見を開き、今回のアウトブレイクに関する各種最新情報を発表した。

 25日午前0時までにPCR検査を経て陽性が確定した人の数は累計190人で、前日から80人増。内訳は女性118人、男性72人。また、症状あり(感染確認)が45人、無症状が145人で、これまでに無症状から感染確認に転じたケースはないとのこと。

 疫学調査を通じ、陽性者は暫定的に6つのグループに大別されるとした(*第7、第8グループが新規追加)。第1グループはマカオ半島中央部の新橋エリアにあるアパート「艷麗大廈」の同じ部屋に居住する海外労働者群(すべてミャンマー国籍)と関連する85人、第2グループは艷麗大廈の道路を隔てて向かいにあるアパート「達昌大廈」と関連する64人、第3グループはマカオ半島北部の黒沙環エリアにある「添豊乾洗有限公司」と関連する10人、第4グループがマカオ半島北西の沙梨頭エリアにあるフィットネスクラブ「ODヘルスクラブ」と関連する3人、第5グループがマカオ半島新口岸エリアにあるビル「国際中心」と関連する2人、第6グループがコタイ地区にあるショッピングモール「ショップスアットフォーシーズンズ」及びマカオ半島中心部にある商業ビルに関連する7人、第7グループがコタイ地区にある統合型リゾート「スタジオシティ」の拡張工事現場と関連する2人、第8グループがマカオ半島北部の高士徳エリアにあるマンション「華暉閣」と関連する8人。これらに含まれない9人については調査中。これまでに第1、第2、第3、第5、第8グループの間には接点があるとされているが、第4、第6、第7グループについては他グループとの明瞭な関連性が見つかっていないという。

 これまでに隔離の対象とされた人の数は7208人に上っている。内訳は濃厚接触者が822人、非核心濃厚接触者(陽性者と居合わせた)が4394人、二次濃厚接触者が295人、一般接触者が882人、付き添い人が625人。検疫対象の増加に伴い、24日午前6時からコタイ地区のマカオドーム内の臨時コミュニティ治療センターの一部が検疫センターとして運用を開始している。

 マカオでは6月19日以降、全市民を対象とした義務的なPCR検査及び迅速抗原検査、さらには一部重点区域、重点人群に対象を絞った追加のPCR検査によるスクリーニングが複数回にわたって実施され、いずれも多くの陽性者の発見に至っている。25と26日にかけては、全市民が1日1回の迅速抗原検査(セルフ検査)の実施が求められている。

 複数の陽性者が出現したことで局地ロックダウン(封鎖及び外出不可)対象とされる場所(ビル及び店舗単位)も次々と出現している。また、レストランのイートイン営業が禁止(テイクアウトに限った営業は可)、映画館やフィットネスクラブなど屋内エンターテインメント・レジャー施設も閉鎖に。政府部門や銀行の窓口も休業が続く。なお、局地ロックダウンの対象となった場所を除いて、市民の外出は可能な状況となっているが、政府は伝播リスク軽減のため、不要不急の外出を控えるよう呼びかけている。25日からは公共路線バスの間引き運転(路線により4〜60%減)が開始されたほか、警察官の巡回を増やし、人の集まる状況を発見した場合に帰宅の呼びかけを強化も行われるようになった。

 当局は会見の中で、現在は陽性ケースの増加段階にあるとし、いかに山を小さく抑えるかが重要との見方を示し、最短の時間と最小の資源で流行を抑制することを目指した対応を進めるとし、市民に対して当局の防疫対策への協力及び不要不急の接触機会を減らすよう呼びかけた。

局地ロックダウンの対象となった場所で防疫任務にあたる警察官ら(写真:GCS)

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