中国本土の新型コロナ新規市中感染者数は14人…上海市は2日連続ゼロ、広東省深圳市では散発続く=6/25

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)の流入を受け、上海や北京など一部地域で比較的大規模な再流行が発生した。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が6月26日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月25日の中国本土における新規市中感染確認者数は2人(前日から5人減)だったとのこと。内訳は、北京市1人、広東省1人。中国本土で市中感染確認例が出現するのは253日連続で、14日連続100人以下となった。

 市中の無症状感染例は12人(前日から3人減)。内訳は、遼寧省7人、広東省4人、広西チワン族自治区1人。

 無症状を含む新規感染者数は14人で、11日連続100人以下を維持した。

 6月25日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は586人(うち輸入性が316人)で、重症者は2人(輸入性ゼロ)。無症状の患者1004人(輸入性511人)が医学観察下にあるとのこと。

 5月末にロックダウンが解除となった上海市では、特に目立ったリバウンドは出現していないが、定期PCR検査によるスクリーニングの実施が実施されている。同市では24日に直近の再流行が始まって以降で初めてとなる新規市中感染確認ゼロを達成。25日もゼロを維持した。

 4月下旬から再流行が続く北京市については、一旦状況が落ち着いた後に朝陽区のバー(クラブ規模の大型施設)で300人超のクラスターが発生したものの、すでに伝播チェーンの寸断に成功したとされ、再び状況は落ち着きを取り戻した。なお、25日に同市で感染確認された1人は市中のスクリーニングを経て発見されたケースだが、豊台区にあるリスクゾーン訪問歴を隠していたことが発覚し、伝播リスクを増大させたとして公安当局が捜査を行なっているという。市内の小中学校について、週明け(27日)からの対面授業再開と7月15日からの夏休み開始が発表された。

 香港・マカオと隣接する広東省では、5月下旬までに状況は落ち着いたが、近日は香港寄りの深圳市で連日市中感染例が出現している。25日の同省内の新規市中感染例(5人)はすべて深圳市から報告されたケース。同市では24日から交通関連、密閉空間にある公共施設を利用する際、48時間以内のPCR検査陰性証明または当日検体を採取した証明の提示を必須するなど、防疫対策が強化されている。

 このところ中国本土の状況が落ち着いてきた一方で、香港ではソーシャルディスタンス措置の第二次緩和後に市中感染確認数の緩やかなリバウンドが続き、6月25日まで10日連続で市中感染確認数が1千人超となった。マカオについては約8ヶ月にわたって市中感染確認数ゼロを維持してきたが、18日深夜から陽性者の出現が相次ぎ、25日午前0時までの累計は190人に。マカオでは19日以降、全市民を対象としたPCR検査及び迅速抗原検査によるスクリーニングが断続的に実施されており、検査を通じて新たな陽性者の発見が続く状況。目下のマカオ市中の流行株は感染力が強いとされるオミクロン変異株派生型のBA.5.1とみられる。

 マカオの状況を踏まえ、地理的に近く、往来も多い広東省珠海市などでは流入に対する警戒が高まっている。一部地域でPCR検査によるスクリーニングのほか、マカオからの入境者に対する検疫強化も実施されている。現在、マカオから珠海市へ入境する場合、7日間の専門施設での隔離(自費、要事前予約)と自宅での隔離(不要不急の外出なし)が必須とされている。これまでに広東省内でマカオからの入境者の陽性が相次いで判明しており(25日は珠海市で1人)、輸入性症例としてカウントされている。

中国・上海(資料)—本紙撮影

中国・上海(資料)—本紙撮影

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