マカオ、単日の新規陽性者71人…3日連続減、6/18以来の累計1374人に

 人口約68万人のマカオでは、約8ヶ月にわたって新型コロナの市中感染確認例ゼロを維持していたが、6月18日深夜以降、陽性者の出現が続いている。(以下、「6・18アウトブレイク」と表記)

 6・18アウトブレイクは、感染力が非常に強いオミクロン変異株派生型の「BA.5.1」が市中へ流入(感染源不明)し、急速に伝播が拡大したものとされ、1平方キロメートルあたりの人口密度が2万人超と極めて高いマカオにとって、大きな脅威となっている。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは7月9日午前、6・18アウトブレイクに関する最新情報を発表した。

 9日午前0時までの直近24時間にPCR検査を経て陽性が確定した人の数(市中感染事例に限る)は71人で、前日から17人減。ピークの単日148人を記録した6日以降、3日連続で減少となった。6月18日以降の累計は1374人に。

 新規市中陽性者71人の内訳は、隔離対象(局地ロックダウン対象ゾーン内及び隔離検疫ホテル)からが45人、一般市中からが26人(濃厚接触者14人、全市民PCR検査及び重点検査対象7人、その他5人)。ここまでと比較して一般市中の占める割合が大きく低下したが、依然として市中で2桁の感染例が出現しており、伝播チェーンの寸断には至っていない状況がうかがえる。

 これまでに隔離の対象とされた人の数は1万8377人に上った。内訳は陽性者1374人のほか、核心濃厚接触者が2837人、非核心濃厚接触者(陽性者と居合わせた)が1万0592人、二次濃厚接触者が836人、一般接触者が255人、付き添い人が749人。

 マカオでは6月19日以降、全市民を対象とした義務的なPCR検査及び迅速抗原検査、さらには一部重点区域、重点人群に対象を絞った追加のPCR検査によるスクリーニングが高頻度で実施されている。目下、7月4日から9日までの6日間にわたって3回(6月19日以降で4、5、6回目)の全市民PCR検査が実施されているが、8日夕方の当局による会見で10日から17日までの8日間にわたって4回(7、8、9、10回目)を追加実施することが発表された。

 6日午前9時から33時間にわたって実施された第5回全市民PCR検査の結果が8日午前までに明らかとなり、混合検体(10人分1本)41本から陽性反応が検出されたが、第4回の94本と比較して大幅減。第6回についても、9日午前8時までに約47.9万人が受検し、うち約41.3万人分の結果が陰性と判明済みで、陽性反応が検出された混合検体は14本とのこと。当局は、高頻度の全市民PCR検査及び迅速抗原検査の効果が表れているとの見方を示している。

 目下、陽性者が出現した場所(ビル及び店舗単位)に対する局地ロックダウンや各種人流抑制措置などが講じられており、市民はここまで3週間にわたって不便な生活を余儀なくされている。

局地ロックダウンの対象となった集合住宅への生活必需物資搬入作業の様子(写真:GCS)

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