オミクロンBA.5流行のマカオ、新規陽性者数が3日連続ピーク後最少=単日32人増、6/18以来累計1615人

 人口約68万人のマカオでは、約8ヶ月にわたって新型コロナの市中感染確認例ゼロを維持していたが、6月18日深夜以降、ここまで3週間超にわたって陽性者の出現が続いている。(以下、「6・18アウトブレイク」と表記)

 6・18アウトブレイクは、感染力が非常に強いオミクロン変異株派生型の「BA.5.1」が市中へ流入(感染源不明)し、伝播が拡大したものとされ、1平方キロメートルあたりの人口密度が2万人超と極めて高いマカオにとって、大きな脅威となっている。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは7月13日午前、6・18アウトブレイクに関する最新情報を発表した。

 13日午前0時までの直近24時間にPCR検査を経て陽性が確定した人の数(市中感染事例に限る)は32人で、前日から25人減。7月5日のピーク(単日146人)以降の最少を3日連続更新した。

 32人のうち隔離対象(局地ロックダウン対象ゾーン内及び隔離検疫ホテル)から発見に至ったのが21人、一般市中からが11人(濃厚接触者5人、全市民PCR検査及び重点検査対象4人、その他2人)とのこと。5日連続で隔離対象から発見に至ったケースが過半数を占めた。一般市中からの陽性者数は内訳のデータが公表されるようになった6月25日以降で最少に。

 6月18日以降の累計陽性者は1615人に。

 13日午前8時までに疫学調査の対象(隔離)とされた人の数は1万9956人に上った。内訳は陽性者1615人のほか、核心濃厚接触者が3110人、非核心濃厚接触者(陽性者と居合わせた)が1万1080人、二次濃厚接触者が935人、一般接触者が254人、付き添い人が766人。

 マカオでは6月19日以降、全市民を対象とした義務的なPCR検査及び迅速抗原検査、さらには一部重点区域、重点人群に対象を絞った追加のPCR検査によるスクリーニングが高頻度で実施されている。7月10日から17日までの8日間にわたって4回(6月19日以降で7、8、9、10回目)の全市民PCR検査が実施されており、期間中は毎日の迅速抗原検査のセルフ実施も求められる。目下、12日午前9時から13日午後6時にかけて8回目の検査が実施されており、13日午前8時までに45万8306人が受検。すでに39万6746人の結果が陰性と判明し、混合検体(10人分で1本)3本からの陽性反応が検出されたという。

 なお、前週初頭の4回目以降、回を重ねるごとに混合検体の陽性反応検出数は減少している。具体的には、第4回94本、第5回41本、第6回23本、第7回17本。依然として市中に伝播チェーンが残る状況に変わりはないものの、封じ込めが進んでいる状況がうかがえる。

 目下、陽性者が出現した場所(ビル及び店舗単位)に対する局地ロックダウンや各種人流抑制策などが講じられているが、追加の特別措置を講じる行政長官令が発出され、7月11日午前0時から7日間にわたり”社会相対静止”状態に入った。

 期間中、社会運営及び市民の生活維持に必要とされる(インフラ、燃料、食料、薬局など)以外の企業・事業場所の運営は停止が求められる。カジノも閉鎖に。

 また、ステイホームを基本とし、外出は全市民PCR検査受験や業務上必要な場合、生活物資の購入、緊急要件に限るとされ、成人はKN95規格以上のマスクを着用することが求められる。特別措置の各種規定への違反行為は刑事罰の対象とされ、すでに複数人が検挙された。

 セミロックダウンともいえる厳しい内容だが、政府は高頻度の全市民対象検査に加えて特別措置を講じることで、ゼロコロナ達成時期を早めたい意向を示している。

マカオ政府衛生局公衆衛生研究所は高頻度の全市民PCR検査によるスクリーニングを24時間稼働で支えている(写真:GCS)

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