中国本土の新型コロナ新規市中感染者数が2日連続400人超に…甘粛省と安徽省が主、広東省珠海市ではオミクロンBA.5の流行拡大続く=7/15

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)の流入を受け、上海や北京など一部地域で比較的大規模な再流行が発生した。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が7月16日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月15日の中国本土における新規市中感染確認者数は75人(前日から11人増)だったとのこと。内訳は甘粛省31人、安徽省16人、広東省15人、上海市5人、海南省5人、江蘇省1人、河南省1人、四川省1人。このうち広東省の10人、海南省の4人、河南省の1人、甘粛省の1人の計16人が無症状から感染確認へ転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは273日連続で、10日連続100人以下となった。

 市中の無症状感染例は375人(前日から7人増)。内訳は安徽省139人、甘粛省82人、広西チワン族自治区40人、河南省39人、上海市28人、広東省26人、山東省6人、江蘇省4人、江西省4人、吉林省3人、福建省1人、海南省1人、重慶市1人、青海省1人。

 無症状を含む新規感染者数は450人で、2日連続400人超に。

 7月15日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は1169人(うち輸入性が459人)で、重症者は1人(輸入性ゼロ)。無症状の患者3457人(輸入性372人)が医学観察下にあるとのこと。

 香港・マカオと隣接する広東省では、このところ省内の多くの都市で感染者の出現が相次ぐ。15日の感染例は41人に上り、数の多い順に珠海市、深圳市、仏山市、広州市、中山市の5市に分布。このうちマカオの隣に位置する珠海市が最多の27人を占めた。同市の流行はオミクロン変異株の派生型「BA.5」とされ、ここまでの累計は94人(感染確認45人、無症状49人)に。

 このほか、単日の新規感染者数が3桁となった甘粛省では蘭州市、安徽省では蚌埠市にそれぞれ集中。

 中国本土の状況は総じて落ち着いている一方で、香港ではソーシャルディスタンス措置の第二次緩和後に市中感染確認数の緩やかなリバウンドが続き、直近では3千前後(輸入性含む)となっている。マカオについては約8ヶ月にわたって市中感染確認数ゼロを維持してきたが、6月18日深夜から陽性者の出現が相次ぎ、16日午前0時までの累計は1706人に。マカオでは19日以降、全市民を対象としたPCR検査及び迅速抗原検査によるスクリーニングが高頻度で実施されており、7月17日まで継続することがアナウンス済み。11日から18日まではセミロックダウンともいえる”社会相対静止”状態に入っている。目下のマカオ市中の流行株は感染力が強いとされるオミクロン変異株派生型のBA.5.1とされている。

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

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