マカオ、2022年1〜7月累計カジノ税収は37.1%減の約2374億円

 マカオ政府財政局が8月24日付で公表した最新の財政収支資料によれば、今年(2022年)1〜7月累計の歳入は前年同時期から4.0%減の580億7182.1万パタカ(日本円換算:約9872億円)で、予算執行率は47.1%だった。

 経常的収入に限ると31.0%減の210億8639.9万パタカ(約3585億円)。このうち、いわゆるゲーミング(カジノ)税収は37.1%減の139億6150.6万パタカ(約2374億円)。年度予算執行率は40.6%で、歳入に占めるゲーミング税の割合は24.0%。コロナ前は歳入の約8割を占めるのが普通だったが、ゲーミング税収の大幅減に加え、資本収入に財政準備からの補填分が計上されたことにより割合が小さくなった。

 歳出は2.7%減の479億3245.6万パタカ(約8149億円)で、年度予算執行率は38.8%。新型コロナ経済支援対策を含む援助・補助等の項目289億2872.9万パタカ(約4918億円)を含む経常性費用が歳出の84.4%を占めた。

 財政収支は101億3936.5万パタカ(約1724億円)の黒字、前年比では10.0%減。

 ただし、コロナ禍により主要財源であるゲーミング税収が激減し、財政準備資産からの補填を余儀なくされており、2020年以降は実質赤字の状況が続いている。

 ゲーミング税はカジノ粗収益(Gross Gaming Revenue=GGR)がベースとなる。2020年1月下旬以降、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う入境制限を含む防疫措置の強化等によってインバウンド旅客数が低迷し、GGRを直撃。昨年通期のGGRは対前年43.7%増の868.63億パタカ(約1兆4767億円)で、3年ぶりの対前年プラスとなるも、コロナ前2019年水準の3割程度にとどまる。今年1〜7月累計についても前年同期比53.6%減の266.68億パタカ(約4534億円)。マカオ政府の2022年度財政予算における当初カジノ売上見込みは前年から据え置きの1300億パタカ(約2兆2100億円)で、前年は未達だった。

カジノのイメージ(資料)—本紙撮影

カジノのイメージ(資料)—本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  マカオは長く本格的な鉄道が存在しなかったが、2019年12月に新交通システム「マカオLRT」タイ…
  2.  リード・エグジビションズ社は9月26日、アジアにおけるゲーミング(カジノ)・エンターテインメント…
  3.  マカオ治安警察局は9月25日、ドリンクを購入する際に高額紙幣を出し、店員を急かして混乱させる手口…
  4.  マカオで統合型リゾート(IR)などを運営するSJMリゾーツは9月25日、台湾のIam Creat…
  5.  イタリアの老舗ラグジュアリージュエリーブランドとして世界的に知られる「ブチェラッティ(Bucce…

ピックアップ記事

  1.  マカオの統合型リゾート(IR)運営大手のギャラクシー・エンターテインメント・グループ(GEG)は…
  2.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  3.  香港とマカオの間をおよそ1時間で結ぶ高速船「ターボジェット」及び「コタイウォータージェット」を運…
  4.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  5.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ」内に9月8日、新ホテル「W…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2023年10月号
(vol.124)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun