マカオ、2022年3QのGDPは前年同期比33.4%マイナス

 マカオ政府統計調査局は11月18日、今年第3四半期(2022年7〜9月)の域内総生産(GDP)に関する統計を公表。

 今年第3四半期の実質GDPは「6・18アウトブレイク」(6月中旬から8月初頭にかけてマカオ市中で出現したオミクロンBA.5の流行)の影響により前年同期比33.4%の大幅マイナスに。インバウンド旅客数が50.5%減となったことを受けて、サービス輸出は46.7%減。内訳はゲーミング(カジノ)サービス輸出が72.5%減、その他ツーリズムサービス輸出45.9%減。また、固定資本形成総額及び個人消費の落ち込みに伴い、内需の下落幅は14.4%まで拡大。GDPデフレーターは1.1%下落。

 6・18アウトブレイクにより7月に実施された「相対静止」措置(準ロックダウン)がマカオの経済活動に影響を及ぼし、家計のマカオにおける最終消費支出は13.3%減。外地での最終消費支出についても12.2%減。個人消費全体では13.3%減となった。

 一方、マカオ政府の医療費助成及び防疫分野への支出が増加したため、政府最終支出は5.7%増。このうち物品・サービスの純購入額が10.2%増、被用者報酬は0.1%減。

 固定資本形成総額は34.3%減。このうち建築投資が38.2%減、設備投資が18.8%減。公共プロジェクトについては、主に公共住宅プロジェクト、マカオ半島とタイパ島を結ぶ第4の大橋、離島医療コンプレックスへの投資が増えたことで、公共プロジェクト投資が19.6%増。ただし、設備投資は44.4%減。民間部門の投資は、カジノ企業の投資減により、建設投資が56.4%減、設備投資についても14.0%減。

 コロナ禍による防疫往来の影響から、貨物輸入及び輸出は27.9%、43.0%のそれぞれ下落。

 今年1〜9月累計の実質GDPは前年同時期から27.8%のマイナス。構成要素別では、個人消費が7.8%減、政府最終支出が1.1%減、固定資本形成総額が19.7%減、貨物輸出が19.9%減、貨物輸入が10.2%減、サービス輸出が34.3%減(うちゲーミングサービス輸出34.3%減)、サービス輸入が5.2%減。

“社会相対静止”期間中はカジノ施設も閉鎖に(資料)=2022年7月11日、カジノリスボア前にて本紙撮影

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ・コタイ地区の統合型リゾート(IR)ウィンパレス(永利皇宮/Wynn Palace)の運営…
  2.  マカオ政府文化局(ICM)はマカオ半島の塔石広場に面して建つ旧エストリスホテル(愛都酒店)の跡地…
  3.  マカオ・新口岸地区の南湾湖畔に位置するレイクサイドプロムナードなどが会場となる第6回マカオランタ…
  4.  マカオ・コタイ地区にある統合型リゾート(IR)「ロンドナー・マカオ(澳門倫敦人/The Lond…
  5.  マカオでは、9月29日の中秋節を間近に控え、市内あちこちがランタンのデコレーションで彩られるなど…

ピックアップ記事

  1.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ」内に9月8日、新ホテル「W…
  2.  マカオの統合型リゾート(IR)運営大手のギャラクシー・エンターテインメント・グループ(GEG)は…
  3.  香港とマカオの間をおよそ1時間で結ぶ高速船「ターボジェット」及び「コタイウォータージェット」を運…
  4.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  5.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2023年10月号
(vol.124)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun