マカオのMICE業界に復調の兆し

 マカオは長くゼロコロナ政策を堅持し、厳格な水際措置を講じてきたため、MICE(会議・研修、インセンティブ活動、国際・学術会議、エキジビション)業界にも大きなマイナス影響が生じていた。

 しかし、2022年12月下旬から2023年1月初旬にかけてウィズコロナ政策へ転換し、水際措置の緩和が進んだことで、インバウンド旅客数が急回復している状況。MICE業界にも復調の兆しがあるようだ。

 マカオ貿易投資促進局(IPIM)が4月16日に発表した内容によれば、今年(2023年)1〜3月のMICE参加人数は延べ20万人近くに上り、このうち延べ1.5万人超が域外からコンベンション出席にためマカオを訪れたビジネス旅客だったとのこと。IPIMでは、下半期に2万人超のビジネス旅客が各地からマカオを訪れると予測しているという。

近日マカオで開催された参加者1.1万人規模のコンベンションの様子(写真:IPIM)

 近日、マカオに新オープンしたエキジビション施設(註:ギャラクシーインターナショナルコンベンションセンター/GICC)で大企業による参加者1.1万人規模のコンベンションが開催されたとのこと。この企業は3年前にもマカオで参加者8千人規模のイベントを開催しており、IPIMに対してマカオのMICEファシリティが世界レベルで充実しており、1万人規模のイベントを開催するにあたっての条件を満たす数少ない候補地に挙げたと説明。また、ホテル、MICE会場、観光資源が集中しており、参加者がコンベンション前後の時間に街の魅力を楽しめ、各方面との交通の便が良いことも3年ぶりのイベント開催地としてマカオを選んだ理由という。

 IPIMでは、今年マカオには1.6万人収容のエキジビション施設(上述のGICC)がオープンし、目下の総MICE会場面積は24万平米、総ホテル客室数は4万室となり、大小あらゆる目的のMICE需要に対応できるハードが揃うほか、ソフト面でも業界のプロフェッショナル化が進んでいるとし、より多くのMICE誘致につながる競争力が高まり、マカオ経済の多元的発展につながると期待を示した。

近日マカオで開催された参加者1.1万人規模のコンベンションの様子(写真:IPIM)

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