マカオ政府、16年連続で市民に現金配布…今年の支給額は約16.4万円

世界一のカジノ売上を誇る都市として知られるマカオ。カジノ税という潤沢な財源を抱え、莫大な財政準備を誇るマカオ特別行政区政府は、インフレ対策や富の還元を理由に2008年から市民に対する現金配布を毎年実施している。

現金配布は例年7月から9月にかけて実施されるが、2020年から2022年については新型コロナ経済対策の一環として約3ヶ月前倒しとなった。マカオ政府行政会が4月21日に公表した法案では、今年(2023年)は7月初旬から8月初旬にかけて順次配布するとしており、4年ぶりに例年通りのスケジュールに戻る。

ツーリズムが主要産業のマカオだが、昨年末から今年頭にかけて事実上のウィズコロナへの転換が行われたことを受けて域内の防疫措置及び水際措置の大幅緩和が進み、インバウンド旅客の急回復につながり、ようやく街に活気が戻ってきた。現金配布スケジュールを例年通りに戻す背景として、経済状況の改善のほか、新型コロナ経済対策の一環で臨時的措置として昨年10月に全市民へ電子マネー形式で配布した生活補助金の8000パタカ(日本円換算:約13.1万円)の使用期限が6月末となっていることが挙げられる。

マカオ特別行政区による現金配布で市民に郵送される小切手のイメージ(資料)=本紙撮影

16年連続実施となる今年度の支給対象は前年末時点で有効なマカオ特別行政区永久性居民(永久居留権)及び非永久性居民(臨時居留権)IDカードの保有者(所得や年齢の条件はない)で、支給金額は前者が1万マカオパタカ(約16.4万円)、後者が6000マカオパタカ(約8.2万円)。銀行振込または小切手で一括支給される。

今年の配布対象人数は永久性居民が約70.8万人、非永久性居民が約3.05万人で、実施にかかる予算は72.9億マカオパタカ(約1196億円)とのこと。

支給額について、2008年は5000パタカ(約8.2万円)だったが、以降は段階的に増額され、2019年から据え置きとなっている。マカオ永久性居民の場合、16年間の合計支給額は13.4万パタカ(約220万円)に上る。このほか、直近コロナ禍の景気低迷期には複数回にわたって臨時性の現金あるいは電子マネーの支給もあった。

関連記事

最近の記事

  1.  マカオ政府衛生局は10月23日夜、マカオ域内で今年初めてとなる当地デング熱感染例を確認したと発表…
  2.  マカオ政府衛生局(SSM)は10月23日夜、マカオで今年(2024年)8例目となる在郷軍人病(退…
  3.  マカオ司法警察局は10月22日、マカオに所在する複数の質店を訪れ、人工ダイヤモンドを天然と偽って…
  4.  マカオの多くのカジノ施設が航空会社のマイレージ制度と似た会員プログラムを提供しており、入会するこ…
  5.  このほどマカオ国際空港運営会社にあたる澳門國際機場專營股份有限公司(CAM)が公表した資料によれ…

ピックアップ記事

  1.  マカオで統合型リゾート(IR)を運営するサンズチャイナと米国のホテル大手マリオットインターナショ…
  2.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  3.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  5.  マカオ政府は6月17日、政府がコタイ地区の南東部に位置する約9万4000平米の国有地を活用し、約…

注目記事

  1.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年11月号
(vol.137)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun