SIMロックフリーのスマホで現地プリペイドSIMを使う方法

自販機でプリペイドSIMカードを購入

CTMのプリペイドSIMカード自販機

CTMの自販機を例に、実際の買い方を説明する。自販機の中には複数の商品が並んでいるが、まず最初に買うべきものはプリペイドSIMカード(漢字で「預付卡」と書く)そのものだ。SIMカードには標準SIM、マイクロSIM、ナノSIMの3種類あり、持参したSIMロックフリー端末に合ったものを選ぶ必要がある。今回、iPhone4Sを例にして話を進めるので、「マイクロSIM」を選択することにする。CTMの自販機では、マカオパタカ、香港ドルの両紙幣に対応している(換算率は1:1なので、マカオパタカを使うのが有利)が、気を付けたいのは「お釣りが出ない」ところ。100パタカのSIMを買う際、もし500パタカ紙幣を挿入したとしても、お釣りが出てこないのだ。20、50、100パタカ紙幣などを準備しておきたい。買うべき商品が決まったら、紙幣を入れ、商品番号をボタンで入力する。すると、ゆっくりした動作でSIMカードが取出口に落ちてくる。

SIMカードを選ぶ際、サイズに注意。事前に確認しておこう

SIMカードの設定

SIMカード部分を慎重に取り外す

パッケージを開封すると、中にカードと説明書が入っている。カードからSIMの部分を慎重に切り離し、携帯電話にセットします。この際、事前に準備するクリップが役立ちます。クリップの先端を電話機側面にあるSIMトレー横の小さな穴に差し込み、グイっと押し込むと、SIMカードが載ったトレーが出てきます。この時、元々入っていたSIMカードをなくさないように気を付けてください。ここに、元のSIMが入っていたのと同じようにCTMのプリペイドSIMを載せ、指で押し込む形でトレーを元に戻します。

クリップを使ってSIMトレーをオープン

SIMカードを挿入した後、そのままの状態では通信ができません。まず、SIMを有効化する「アクティベーション」という作業を行います。操作は簡単で、キーパットに「1771」と打ち込み、「発信」を押します。しばらくすると、マカオの携帯電話番号とSIMカードの有効期限、残高などの情報が掛かれたメッセージをSMSで受信します。このメッセージが届いた時点で、SIMカードが有効となります。この状態でも3Gデータ通信は可能ですが、ちょっと我慢して、先にデータ通信定額サービスの設定に進みます。CTMの場合、30日間MOP99の最大1GBのデータ通信と28時間分のWi-Fiホットスポット接続がパッケージになった定額データ通信プランが用意されています。こちらの設定は、先ほど同様キーパットに「#160*2#」と入力し、「発信」を押します。その後、パッケージへの申し込みが完了した旨のメッセージが届きます。このメッセージの中に、CTMが提供するWi-Fiホットスポットを利用(後述)するためのパスワードが書かれているのでメモしておく。(※キーパットのないモバイルWi-Fiルーターやタブレット端末については、文末の情報を参照)

SIMカードをトレーに乗せて、元に戻す

スマホでデータ通信を行う場合、APNというアクセスポイントを設定する必要があります。設定方法は、ホームメニュー画面から「設定」>「モバイルデータ通信」>「モバイルデータ通信ネットワーク」と進み、「APN」という部分に「ctmprepaid」と入力します。「ユーザ名」と「パスワード」や、他の項目は空白でかまいません。(Androidの場合は、メニュー画面から「設定」>無線とネットワークの「その他」>「モバイルネットワーク」>「アクセスポイント名」と進み、候補の中から「ctmprepaid」を選択、もし選択肢がない場合は、右上の+ボタンを押し、名前に「CTM」(←これは任意の文字列で良い)、APNに「ctmprepaid」と入力。他は空欄のままでかまわない)

パッケージに掛かれた定額データ通信プランの案内

この設定を終えると、データ通信が使用可能となる。また、独自の電話番号が付与されているので、電話の発着信も可能。100パタカのSIMを購入した場合、すでに定額データ通信プランで99パタカ分を使っているため、残額1パタカとなっている。通話も利用したい場合は、残額のチャージを行うことで対応する。

Wi-Fiホットスポットの利用

上述の定額データ通信プランに申し込むと、CTMが提供するWi-Fiホットスポットへの接続を28時間分利用できる。Wi-Fiホットスポットの場所はCTMの各支店やCTM Wi-Fiサービス利用可能店のステッカーを貼ったカフェやレストランなど。CTMから一覧表が交付されていないのが不便だが、スポット数も充実とは言い難いのが現状。接続するには、ホームメニューから「設定」>「Wi-Fi」と進み、選択肢の中から「CTM Wi-Fi」を選択。この後、ブラウザを立ち上げると、IDとパスワードの入力画面に遷移するので、IDとして最初に付与された独自の電話番号、定額データプラン申込みを終えた後に受け取ったSMSメッセージにあるパスワードを入力する。

リロードバウチャーは自販機で買える

チャージ方法

今回紹介した定額データ通信プランはデータ通信量の合計が1GBに達するまで最長30日間利用できるものだが、通信量が1GBを超えた時点で終了となる。引き続き、定額プランを使いたい場合、あらたにプリペイドSIMカードに残高をチャージした上で、あらためて前項と同様の方法で定額データプランを再度申し込む必要がある。プリペイドSIMカードのチャージ方法は、「リロードバウチャー(増値卡)」を使うのが最もシンプル。リロードバウチャーは額面MOP100、200など種類があるので、必要に応じて金額を選べばよい。リロードバウチャーもプリペイドSIMと同様に、自販機や店舗で購入できる。リロードバウチャーを購入後、パッケージを開封すると、1枚のカードが中に入っている。カード裏面にスクラッチ部分があるので、コインで削ると番号が出てくる。プリペイドSIMを挿入したスマホを使い、キーパットで「*122*リロードカードに記載された番号#」を入力し、「発信」を押す。しばらくすると、チャージが完了した旨のSMSが届き、残高を確認することができる。

キーパットのない端末の場合

モバイルWi-FiルーターやNexus 7、iPadなど、電話機能のない端末はキーパットで番号を打ち込むことが物理的にできないため、プリペイドSIMカードのアクティベーションやリロードといった作業を端末のみで行うことができない。そういった端末を持ち込む場合、ショップを訪れる必要がある。まず、CTMのショップを訪れ、カード類販売カウンターを目指そう。そこで、プリペイドSIMカードの新規購入と定額データ通信プランの申し込みを希望とスタッフに伝えると、店舗の端末でアクティベーションなどの設定を済ませ、開通済みの状態でSIMを買うことができる。プリペイドSIMカードは一旦開通すれば別の端末に差し替えても使えるので、そのまま持参した端末に挿入して使えばよい。リロードが必要な際も、同様にショップを訪れて手続きを依頼する。CTMのショップでは英語が通じる。

■参考URL CTM(澳門電訊): https://www.ctm.net(英語・中国語)

*記事の内容は取材当時(2014年3月)のものです。

次のページ:
1

2

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ半島新口岸地区にあるカジノIR(統合型リゾート)サンズマカオ(澳門金沙)がきょう(5月18…
  2.  マカオ司法警察局は5月16日、マカオで商業ビルのレンタル会議室を宝飾品店に偽装し、マカオ人の男性…
  3.  香港金融管理局は5月17日、香港におけるデジタル人民元の実証実験範囲を拡大し、香港の携帯電話番号…
  4.  マカオの統合型リゾート(IR)運営企業SJMリゾーツ社がマカオ特別行政区の成立25周年を記念して…
  5.  マカオ政府統計調査局は5月17日、今年第1四半期(2024年1〜3月)の民間建築及び 不動産取引…

ピックアップ記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  シンガポール発の国際ラグジュアリーホテルブランド「カペラ」がマカオ初進出することがわかった。カペ…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…

注目記事

  1.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  2.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  3.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  4.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun