文化会館閉店へ、質屋博物館は継続

新馬路沿いに建つ老舗質店の歴史的建造物を活用した商業施設と博物館の複合施設「文化会館」について、来月(2014年1月15日)に閉店することが決まったという。

「徳成按」外観―本紙撮影

「徳成按」外観―本紙撮影

2013年12月24日付地元有力紙「澳門日報」が報じた。文化会館は1917年に建てられた伝統的質店「徳成按」と銀行にあたる「富衡銀號」の店舗建築物を再利用する形で2003年にオープン。「徳成按」にあたる部分が伝統質店ビジネス専門博物館「典當業展示館(質屋博物館)」としてマカオ政府が運営、「富衡銀號」部分を民間が商業施設として雑貨店、カフェとして営業していた。

文化会館の経営者によると、2003年のオープン時に月額5万パタカ(約65万円)だった賃料が契約更新の度に上昇し、現在は9万パタカ(約117万円)に達しているという。2014年1月末の次回更新では18万パタカ(約234万円)に倍増することで前向きに打ち合わせがなされていたという。経営者側は開業10年にあたり、3年間で100万パタカ(約1300万円)を使った改修を行うことで3年契約を予定していたというが、結果的に2年契約としたい家主側との交渉決裂により、契約更新をしないことに決まったという。

なお、「典當業展示館(質屋博物館)」を運営するマカオ政府文化局によると、同博物館は今後も運営を継続する方針。

「徳成按」はユネスコのアジア太平洋地域における保護文化遺産リストにも掲載されており、上海万博ではマカオパビリオンのメインテーマにも採用されている。

典當業展示館(質屋博物館)外観(資料)—本紙撮影

典當業展示館(質屋博物館)外観(資料)—本紙撮影

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