マカオの7月カジノ売上が年初来最多の約2850億円に…1〜7月累計263%増の約1.6兆円

 マカオ政府博彩監察協調局(DICJ)は8月1日、最新(7月)の月次カジノ売上(粗収益、Gross Gaming Revenue=GGR)統計を公表。

 今年(2023年)7月の売上は前年同月比4082.9%増の166.62億パタカ(日本円換算:約2850億円)で、対前月でも9.6%増。単月として年初来最多を記録した。前年同月比で急増した背景には、前年同月に新型コロナ防疫対策の一環として準ロックダウン措置が講じられ、カジノが12日間にわたって営業中止を余儀なくされたことが挙げられる。

 7月の営業日は31日間で、前月と比較して1日長い。7月の1営業日あたりの平均売上は前月を0.3億パタカ(約5.1億円)上回る5.37億パタカ(約91.9億円)に。

 マカオは長くゼロコロナ政策を維持してきたため、インバウンド旅客数の低迷がカジノ売上にも影響した。しかし、昨年12月から段階的に事実上のウィズコロナ政策へ転換され、今年1月8日からは水際措置が大幅緩和されるに至った。以降、インバウンド旅客数が急回復し、その勢いを持続する状況で、カジノ売上にもプラスに作用しているとみられる。

 なお、7月から8月にかけての夏休みシーズンはマカオのツーリズム市場にとって繁忙期となり、インバウンド旅客数及びカジノ売上の底上げが期待されている。

 今年1〜7月累計のカジノ売上は前年同時期から263.0%増の967.98億パタカ(約1兆6556億円)。変動率は前月時点から57.9ポイント拡大。ただし、コロナ前の2019年同時期からは44.4%減となるが、今年に入って以降は乖離幅が縮小傾向にあり、7月単月では同31.9%減。

 なお、今年のカジノ売上は4月終了時点ですでに前年通期の実績を上回っており、今後はコロナ前との比較でどの程度まで回復するかが注目点される。

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の夜景(資料)=2020年7月本紙撮影

【資料1】2023年のマカオの月次カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・1月:115.80億パタカ=約1981億円(82.5%減)
・2月:103.24億パタカ=約1766億円(33.1%増)
・3月:127.38億パタカ=約2179億円(246.9%増)
・4月:147.22億パタカ=約2518億円(449.9%増)
・5月:155.65億パタカ=約2662億円(365.9%増)
・6月:152.07億パタカ=約2601億円(513.9%増)
・7月:166.62億パタカ=約2850億円(4082.9%増)
>1〜7月累計:967.98億パタカ=約1兆6556億円(263.0%増)

【資料2】2013年〜2022年のマカオの年間カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・2013年:3607.49億パタカ=約6兆1700億円(18.6%増)*ピーク時
・2014年:3515.21億パタカ=約6兆0122億円(2.6%減)
・2015年:2308.40億パタカ=約3兆9481億円(34.3%減)
・2016年:2232.10億パタカ=約3兆8176億円(3.3%減)
・2017年:2657.43億パタカ=約4兆5451億円(19.1%増)
・2018年:3028.46億パタカ=約5兆1797億円(14.0%増)
・2019年:2924.55億パタカ=約5兆0020億円(3.4%減)
・2020年:604.41億パタカ=約1兆0337億円(79.3%減)
・2021年:868.63億パタカ=約1兆4857億円(43.7%増)
・2022年:421.98億パタカ=約7217億円(51.4%減)

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