マカオの公共路線バスが複数のQRコード決済アプリによる運賃支払いに対応

 マカオ金融管理局と交通事務局は8月7日、同月11日から公共路線バスの運賃支払いに複数のQRコード決済アプリが対応すると発表。

 マカオは面積約30平方キロ(山手線の内側の約半分)、人口約67万人の小さな地域だが、金融機関などが独自展開するQRコード決済が数多く存在する。マカオ金融管理局は2021年にマカオで複数の金融機関などが独自に手掛けるQRコード決済を一元化する新サービス「聚易用(Simple Pay)」をリリース。今回、同サービスのシステムをアップグレードし、バス運賃支払い専用の「乗車コード」を発行できるようにしたとのこと。

 聚易用がカバーするQRコード決済アプリ9種類に加え、中国銀聯のアプリの乗車コードにも対応するが銀聯アプリについてはマカオの金融機関が発行した銀聯カードと紐付けをする必要があるという。

 マカオでは、交通系ICカード「マカオパス(澳門通)」が広く普及している。公共路線バスやLRT(新交通システム)のみならず、コンビニ、スーパー、飲食店、自販機など利用範囲の拡大も続く。

 マカオパスを利用する最も大きなメリットのひとつとして、公共路線バスの運賃割引が挙げられる。公共路線バスの運賃は現金支払いの場合、一律6マカオパタカ(日本円換算:約100円)だが、マカオパスを利用して支払うことで、一般路線が半額、快速路線が約33%引きとなる。また、最初のバス乗車時に支払いをしてから45分以内(コロアン島とマカオ半島の間の場合は60分以内)に次のバスに乗り継ぐ際には、乗り継ぎ先のバスが一般路線なら無料、快速路線の場合は差額分のみの支払いとなる。QRコード決済アプリの乗車コードを使用して運賃を支払う場合もマカオパスと同様のメリットを享受できるという。

 マカオ独自のQRコード決済アプリは現地の銀行口座との紐付けや身分証による本人確認などを要するため、観光や出張などで一時的に観光でマカオを訪れる旅客にとっては従来通りマカオパスの利用が便利といえる。

マカオの公共路線バスの料金箱とICカード及びQRコード読取機(資料)=2019年10月本紙撮影

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