シーズン・ラオ氏がマカオ、福岡、台湾で講演会開催…ニース国立東洋美術館個展、ザ・リッツ・カールトン収蔵の大作での実践

 マカオ出身で日本を拠点とする美術家のシーズン・ラオ氏が、先日のアートフェアアジア福岡での東アジアの現代アートを研究する山本浩貴氏との講演に続き、今月は台湾(国立台湾芸術大学とアジア大学現代美術館)での講演会に登壇するほか、マカオでもイベント参加や講演会を行う予定とのこと。

 台湾での講演会では、フランスの美術館で開催中の個展の作品を通して、東アジアの思想「縁起」や「余白」などの美学について触れ、「容中律」の考えへと話を広げていくという。

寒松玄海図 980×270cm ザ・リッツ・カールトン福岡 エントランス

 また、マカオでは、マカオ貿易投資促進局(IPIM)、マカオ国際ブランド企業協会(MIBA)が主催するマカオフランチャイズエキスポ(MFE)にラオ氏が「MACAU BRAND STORY」のゲスト審査員として招待され、審査のほか21日にはザ・ヴェネチアン・マカオのコタイエキスポホールで講演も行い、今年オープンした九州の最高級アメリカブランドホテル、ザ・リッツ・カールトン福岡(The Ritz-Carlton Fukuoka)に収蔵された大作をはじめとして、シンガポール、イタリア、日本などリゾート系のパブリックコレクション経験を参加者とシェアするとのこと。

 21日にはマカオの公営映画館、シネマテーク・パッションにてマカオとの関わりを中心とした内容で講演、ラオ氏の初期映像作品『百年菉荳圍(Pateo do Mungo)』の上映が行われる予定。実は、このドキュメンタリーの反響により、十数年前にラオ氏の生家を含む歴史的建造物群の取り壊しが中止となった経緯がある。今回、ラオ氏が自身の経験とニース国立東洋美術館の建築家、都市計画家丹下健三氏の建築作品を例として、マカオの世界遺産保護の専門家と対談し、文化、芸術、建築と町の展開を語り合うという。

<上述のイベントスケジュールは下記の通り(※現地時間)>
・17日 9:30~国立台湾芸術大学(台北)
・17日 15:30~アジア大学現代美術館(台中)
・21日 15:00~ザ・ヴェネチアン・マカオ コタイエキスポ ホールD(マカオ)
・22日 14:00~シネマテーク・パッション(マカオ)

Mt. Tensan, Saga Japan 250×150cm ザ・リッツ・カールトン福岡 18F ロビー

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