マカオ税関、大量の中古スマホなど身体に巻き付け密輸図った運び屋の女摘発

 澳門海關(マカオ税関)は11月1日、各イミグレーション施設における税関検査を強化するとともに、香港税関との連携を強化して臨む中、10月31日に港珠澳大橋マカオ側イミグレーション入境フロアの税関検査場で違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)に絡む中古スマートフォン及び中古電子パーツの密輸事案を1件摘発したと発表。

 税関によれば、31日午後、香港税関から港珠澳大橋を経由してマカオ入りする運び屋についてのリアルタイム通報があったことを受けて、港珠澳大橋マカオ側イミグレーションにおける入境者及び入境車両に対する警戒を強化していたところ、通報内容と特徴が符合する人物が入境口に現れたため、税関検査場で呼び止め、厳格な検査を実施した結果、所持していたバックパックの中及び身体の腰と脚の部分にラップを使って巻きつけるかたちで中古スマートフォン100台、中古電子パーツ344点を所持していることが発覚。当該物品のマカオへの輸入に必要な書類を提示できなかったとのこと。

身体にラップで巻き付けられた中古スマートフォン(写真:澳門海關)

 密輸を図ったのは港珠澳大橋のシャトルバスを利用して香港からマカオへ到着した香港人の女(33)で、税関の調べに対し、報酬を得て他人から依頼された物品をマカオまで運んだと説明したという。税関は女を対外貿易法違反で起訴済みとした。

 税関では水際での警戒を強化しているほか、密輸取り締まりのための連携も恒常的に行なっているとし、公衆に対して物品の出入りに関する法令の遵守、また営利を目的とした密輸に関与しないよう呼びかけた。

 年初のウィズコロナ転換による水際措置の緩和を受けて、マカオと中国本土、香港との相互往来が容易になって以降、運び屋が絡む密輸入、密輸出事案が摘発されるケースが増えており、密輸品の種別では中古スマートフォン、中古バッテリー、冷凍肉、乾物、コスメ・スキンケア用品などが目立つ。

マカオ税関が押収した密輸品の中古スマートフォン及び中古電子パーツ(写真:澳門海關)

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