マカオ税関が中国本土からの密航事案を相次ぎ摘発…2日間で3件、男女6人逮捕

 澳門海關(マカオ税関)は11月6日、最近の密航活動に関する趨勢及び情報分析結果をもとにマカオ周辺海域のスマート監視システムやドローン等のIT技術を活用した海上及び沿岸の高リスク地点における監視体制を強化して臨む中、同月3日と5日に密航事案3件の摘発に成功し、これに絡む6人を逮捕するに至ったと発表。

 1件目の事案は3日夜、海域スマート監視システムによって不審なボートがマカオ半島北東沖に位置する埋立地「新城A区」の橋梁建設現場付近の海域を航行しているのを察知したため、すぐに高速パトロール艇が現場海域へ向かい、このボートの動向を監視していたところ、ボートが陸地へ近づき、船上にいた1人が上陸を図った後にボートが現場を離れていくのを確認し、すぐに海と陸での追跡を開始。まもなく港珠澳大橋付近でボートを、陸地で不法上陸者の制止に成功し、ボートの操縦者(いわゆる蛇頭)の男1人と不法上陸者の男1人をそれぞれ逮捕。不法上陸者は税関の調べに対し、合法的にマカオへ入境できない立場にあることから密航でマカオの入りを選択したと説明し、蛇頭も密航目的の人物をマカオへ運んだ事実を認めたという。

密航者発見時の様子。左が1件目、右が2件目(写真:澳門海關)

 2件目の事案は5日朝、海域スマート監視システムがコロアン島南部の海辺に位置する住宅地「竹灣豪園」前の海域を航行しているのを察知したため、高速パトロール艇、パトロールカー、ドローン部隊が捜査に着手。まもなく高速パトロール艇が当該ボートを制止して臨検を行ったところ、操縦者の蛇頭の男1人のほか、女2人が隠れているのを発見。女2人は税関の調べに対して、合法的にマカオへ入境できない立場にあるため密航を企図したと説明。蛇頭も密航に協力した事実を認めたとのこと。

 3件目の事案は5日夜、海域スマート監視システムにより、タイパ島北東沖に位置する埋立地「新城E区」付近を徘徊する不審な男1人を発見し、税関のパトロール隊員が現場へ急行し、この男を逮捕。その後の調査で、不法上陸者だったことが確認されたという。

 上記3件で逮捕された男女6人の年齢は27〜56歳。税関は1件目と2件目の蛇頭各1人を不法出入境ほう助、不法上陸者の3人を不法出入境の罪でそれぞれ起訴。3件目の不法上陸者については治安警察局の出入境管理部門に身柄を引き渡し済みとした。

 税関では、今後も海上及び沿岸における監視体制を強化して臨むことで、違法行為の撲滅を図るとしている。

不法出入境ほう助罪で起訴された蛇頭の男2人(写真:澳門海關)

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