マカオ、模擬紙幣を使った両替詐欺事件が1日内に3件連続発生…中国本土出身の男女3人逮捕

 マカオ司法警察局は11月6日、同月4日に「練功券」と呼ばれる銀行員のトレーニング用の模擬紙幣が使われた両替詐欺が3件連続発生し、中国本土出身の男女3人を逮捕したと発表。

 同局によれば、被害者はマカオで違法両替に従事していた中国本土出身の3人で、”業務”に必要な香港ドルを用立てるため両替が必要だったことから、それぞれ両替相手と連絡を取り、コタイ地区にあるカジノ施設やホテルで取引を行った際、相手方指定の銀行口座に送金した後、手渡された現金を確認する際に練功券であることに気づき、警察へ通報するに至ったものという。被害総額は3件合計で約30万パタカ(日本円換算:約558万円)に上るとのこと。

 警察の調べに対し、被疑者3人全員が犯行を認めた上、それぞれ指示を受けて両替を行い、このうち男女各1人が成功報酬を受け取る約束だったとしたが、使用した紙幣が練功券だったとは知らなかったなどと供述したとのこと。警察は3人を巨額詐欺及び相当巨額詐欺罪で検察院送致するとした。

 練功券は通貨としての価値がなく、一般に流通しているものではない。これまでもマカオではこれを用いた詐欺事件がしばしば発生していたが、前月下旬以降から発生件数が急増している。

 昨今マカオのカジノ施設内外においては「換銭党」と呼ばれる違法両替商が暗躍し、これにまつわる各種犯罪も頻発しており、警察当局が換銭党を社会及びカジノにおける治安悪化の元凶と位置付け、度々大規模掃討作戦を展開するなど、取り締まりを強化して臨んでいる。

模擬紙幣を使った両替詐欺事件の証拠品(写真:マカオ司法警察局)

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