マカオ警察、違法両替と模擬紙幣絡みの詐欺に対する旅客向け注意喚起プロモーション展開

 マカオ司法警察局は11月19日午後、第70回マカオグランプリの開催にあたり多くの旅客がマカオを訪れる中、このところ「換銭党」(違法両替商)及び「練功券」(模擬紙幣)に絡む詐欺事件が頻発している状況を受け、リスク喚起を目的とした旅客に対する防犯プロモーションを展開したと発表。

 同局によれば、同月10、16、18日にかけてカジノ・経済犯罪担当部門の刑事ら人が統合型リゾート(IR)集積エリアにあたるコタイ地区のカジノ施設内外、またイミグレーション施設近くにある観光バス乗降場付近などで約440人の市民及び旅客に防犯情報が記載されたチラシの配布や詐欺被害予防に関する説明を行うとともに、詐欺により金銭の損失に至らないよう合法ルートでの両替を促したとのこと。

マカオ司法警察局が旅客向けに実施した詐欺に対する注意喚起プロモーションの様子(写真:マカオ司法警察局)

 マカオのカジノでプレイする際には主に香港ドルが用いられることから、中国本土から人民元を持ち込む旅客にとって香港ドルとの両替が必要となるケースがある。

 マカオでは、アフターコロナで社会の正常化が進み、インバウンド旅客数が急回復する一方で、カジノ施設内外においては換銭党が暗躍し、これにまつわる各種犯罪も増えており、警察当局が換銭党を社会及びカジノにおける治安悪化の元凶と位置付け、度々大規模掃討作戦を展開するなど、取り締まりを強化して臨んでいる。

マカオ司法警察局が旅客向けに実施した詐欺に対する注意喚起プロモーションの様子(写真:マカオ司法警察局)

 また、練功券は銀行員のトレーニングで使われる模擬指定で、通貨としての価値がなく、一般に流通しているものではない。これまでもマカオではこれを用いた詐欺事件がしばしば発生していたが、前月下旬以降からは頻発している状況。

 同局では、今後も社会治安情勢の変化を注視しながら、適宜警務体制を調整し、犯罪抑止と取り締まりに努めるとした。

マカオ司法警察局が旅客向けに実施した詐欺に対する注意喚起プロモーションの様子(写真:マカオ司法警察局)

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