旧正月連休中も違法タクシー暗躍

年間で最もマカオへ旅客が集中する旧正月連休を迎え、マカオ各所は大きな賑わいとなっている。慢性的なタクシー不足のマカオでは、市街地及びホテルのタクシー乗り場では長蛇のタクシー待ち行列が発生している。また、不当な料金を吹っ掛ける違法タクシーの出没も増えているといい、観光都市マカオのイメージを悪化させると懸念が拡がっている。

2月4日付地元有力紙「澳門日報」が一面トップで報じた。違法タクシーの出没場所はマカオ全体に広がっており、主に出入境施設やホテル付近に多いといい、空車サインをつけず、乗客と直接交渉で運賃を決めるスタイル。価格は行き先により30~300パタカ程度となっている。なお、法定メーターを使用した場合の運賃は初乗り15パタカ(最初の1.6キロ)、以降230メートルごとに1.5パタカ加算という料金体系となっている。(待ち時間、荷物、空港発着等の場合は追加料金別途)

タクシーを管轄するマカオ政府交通事務局では、休日返上で違法タクシーの監視に当たっているというが、旧正月元旦から3日間の検挙件数は8件にとどまっている。

違法タクシーが発覚しにくい利用として、利用者からの通報が頼りとなるが、タクシーを降りた後すぐにマカオから出境してしまったり、次の用事へ急ぐなどしていることが多いことから、通報をしないことも多いとみられる。また、通報したとしても、証拠不足で追及できないこともあるという。一部の富裕層の間では、長蛇のタクシー行列を避けるためにわざわざ違法タクシーを利用して時間節約を図るものもいるため、ますます違法タクシーを助長させるかたちとなる。

また、違法タクシーに対する罰則規定が甘いことも指摘される。現在、定額の罰金のみとなっていることから、市民の間では罰金の高額化や営業許可の停止なども含めた厳しい処分を下すべきとの意見も聞かれる。

交通事務局では、今後おとり捜査も含めて積極的に検挙に取り組む姿勢を見せている。さらに、タクシーのそもそもの台数不足が要因との見方もあることから、今年中に200台分の追加タクシーライセンスを発給する予定を明らかにしている。現在、マカオのタクシー数は1,180台。マカオの1日平均タクシー争奪人数は553人で、香港の419人を上回る水準にある。

一部エリアではタクシー乗降場所が指定されている(資料)―本紙撮影

一部エリアではタクシー乗降場所が指定されている(資料)―本紙撮影

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