マカオ税関、直近6日間で密輸事案90件摘発…越境自家用車の利用や身体に巻き付け隠すケースも

 澳門海關(マカオ税関)は12月7日、各イミグレーション施設でIT技術の活用を含む検査体制の強化を図り、違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)に対して厳格な姿勢で臨む中、同月1日から6日までの6日間で密輸事案(密輸入及び密輸出)計90件を摘発したと発表。

 摘発があったのは關閘、内港フェリーターミナル、港珠澳大橋、青茂、マカオ国際空港、横琴のイミグレーション施設で、密輸品の内訳は紙巻きたばこ1万4328本、コスメティック製品789点、200ミリリットル及び13本、薬品6424粒及び65点、酒類約15リットル、中古スマートフォン51台、ヘルス用品22点、シガー1710グラム、ライター24点、中古バッテリー280点、カメラ・カメラパーツ6点、電子たばこ用ヒートスティック200本、ハンドバッグ7点、電動自転車1台、猫1匹、中古電動工具71点及び1箱、食材約544キログラムとのこと。

大量の中古スマートフォンをラップで身体に巻き付け密輸を図ったケース(写真:澳門海關)

 このうち、コスメティック製品や中古スマートフォンを身体にラップで巻き付けるなどして隠していたケースが複数あり、税関検査場で人混みに紛れて申告物なしのレーンを通過するも、その際の動作が不自然だったことから係員が呼び止めて人体スキャナによる詳細検査を実施したところ、発覚したという。

 このほか、越境自家用車による密輸事案も3件あり、税関のリスク管理システムによる警戒アラートの対象となった越境自家用車に対して大型X線貨物・車両検査システム及び上方照射式車両検査システムを組み合わせた検査を実施した結果、ロブスター約102.5キログラムやリンゴ約350キログラム、中古電動工具71点及び1箱の発見に至ったとのこと。

越境自家用車による大量の中古電動工具の密輸事案(写真:澳門海關)

 年初のウィズコロナ転換による水際措置の緩和を受けて、マカオと中国本土、香港との相互往来が容易になって以降、運び屋が絡む密輸入、密輸出事案が摘発されるケースが増えており、密輸品の種別では中古スマートフォン、中古バッテリー、冷凍肉、高級食材(乾物等)、コスメ・スキンケア用品などが目立つ。近年、マカオ登録の自家用車が比較的簡単な手続きで広東省に乗り入れ可能となる政策が導入されたことを受け、マカオと中国本土との間の自家用車での往来も増えている。

 税関では、市民に対して出入境における携行品の出入りに関する法令の遵守、また報酬を目当てに物品を隠したり偽装したりして運び屋行為へ従事しないこと、さらにはリスク回避のため来歴不明の食品の購入を避けるよう累次の呼びかけを行うとともに、今後も継続して水際における各種取り締まりを強化して臨むとした。

越境自家用車による大量のりんごの密輸事案(写真:澳門海關)

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