マカオ、タクシー運転手の免許に点数制導入へ

 マカオでは、ひと頃に比べて状況は落ち着いたものの、依然として悪質タクシーが暗躍しており、市民や観光客の間から不満の声が多く聞かれ、政府も観光都市としてのイメージ低下につながるとして罰則強化など対策を進めてきた。

 マカオ行政会は12月11日にタクシー行政を管轄する交通事務局と合同で会見を開き、新たなタクシー対策を含む道路交通法の改正案をまとめたことを明らかにした。今後、立法会で審議が行われる。

 改正案の重点は大きく3つあり、タクシー対策に絡む内容としては、点数制の導入が盛り込まれた。

 具体的には、最初に各タクシー運転手へ12ポイントを付与した上、累積6ポイント超の減点でライセンス停止3ヶ月、12ポイントの減点に達した場合はライセンス停止6ヶ月となり、運転手は試験を受け、パスした場合にライセンスが”復活”するという内容。また、2年以内に累積7ポイント減点された運転手は自費で理論試験に参加することで3ポイントを獲得できるという。交通事務局では、大きな威嚇効果が期待されるとの見通しを示した。

 なお、初期段階における減点対象は現場法執行官の命令拒絶と禁止標識違反(例:通行車両カテゴリー、重量、高さ制限等の禁止標識)とし、横断歩道での歩行者優先義務違反、駐停車禁止場所での乗降、速度制限、逆走といった警備違反行為については現行法ですでに十分な処罰対象となっている(罰金及び裁判所による運転禁止判決等)ことから、点数性に含まないとした。

 残る2つの重点については、「運転手及びその他道路使用者の規範」と「バランスバイク、スケートボード、キックスクーターまたはその他類似の機動、非機動通行ツールの行動上通行禁止」で、前者はシートベルト強制使用範囲の拡大、運転中の携帯電話・その他電信ツール・映像設備の使用禁止などを含み、後者は車椅子及びその他類似の行動補助設備の道路上の通行規則を定めるもの。

 マカオ行政会の広報官で政府行政法務庁の張永春長官は会見の中で、道路交通法は施行から16年が経過しており、当局として現在のマカオの交通状況を総合的に考慮し、また法執行需要と公衆及び社会各界の意見を十分にヒアリングした後に改正案を制定し、交通安全に影響を与える違反行為の取り締まりと道路交通ルールの最適化につなげたいと希望すると述べた。

マカオのタクシー乗り場のサイネージ(資料)=本紙撮影

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